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chapter32

  • 2014/02/08 22:40
  • Category: Story
こんばんは!今日は時間があったので私にしては珍しい休日更新です♪

今回のストーリーでお友達シムさんが2名友情出演してくださってます。私の方で役を
当てさせていただきました!どうもありがとうございます^^

シャロンの友人リアナ:momoichigoさんから頂いたシム
シャロンの友人デューク:EZさんから頂いたシム

そして今回は冒頭から肌色シーンになる為本文を少し下げておきますね(笑)

読んで頂く際には背後にご注意願います(〃ノ∀`〃)ポッ

ではでは本編スタートです♪























カレンの肌に触れている場所がひどく熱い。
その熱にうかされるように、俺はカレンの白磁のような滑らかな肌に唇を落とす。
2014208chapter31sssss (1)
びくりとカレンの体が震え、その反応にさらに俺は煽られていく。

こんな形で抱き合うことに抵抗がない訳じゃない。本当に好きだと思える女だから尚更だ。
マークの存在さえなければ例えカレンに誘われたとしても抱かなかっただろう。

2014208chapter31sssss (2)
カレンはきっとマークともこんな風に抱き合っていたはずだ。
それを考えると胸をかきむしりたいほどの強い嫉妬に襲われて、自分を抑えきれなくなった。
こんな風にカレンを抱くのはきっと間違っている。
分かっている。でももう止めることができない。

2014208chapter31sssss (3)
「レ・・・イ・・・」
掠れた声が俺の名を呼ぶ。俺の視線に気が付いたカレンは羞恥のためなのか、顔を背けた。


2014208chapter31sssss (4)
好きだ。愛している。

その言葉が喉まで出かかってそんな想いを振り切るように、俺はカレンに深く口付ける。
細い手首を押さえ、俺はカレンを抱いた。

2014208chapter31sssss (5)











「・・・・・・・」
目覚めると隣にいたはずのカレンはもういなかった。

2014208chapter31sssss (6)
昨夜のことがまるで夢のように思えたが、シーツからカレンのいつも付けている甘い香水の香りがあれは現実だと言っている。
一線を越えてしまった。それもあんな形で。

2014208chapter31sssss (7)
まだぼんやりとする頭を活性化しようと俺はタバコに火をつけ、深く煙を吸う。

浮かんでくるのは昨夜のカレンの姿ばかりだ。カレンから誘ってきたにも関わらず、事の間終始体を固くしていた。あれはやはりマークに心があったということなのだろうか。
それでもいいと抱いたくせに、このザマだ。

2014208chapter31sssss (8)
ふと窓の外に視線をやると、一晩中降り続いて積もった真っ白な雪が道を行く通行人に踏まれ、グレーに色を変えている。
この雪のように俺はカレンを汚してしまったような、そんな気がしてならなかった。









レイが寝ている間にそっとホテルを抜け出し、自分の部屋にたどり着いて私は大きくため息をつく。

2014208chapter31sssss (11)
初めて、だった。この歳まで男とまともに付き合ったことがなかったから。
それなのに自分から誘うなんて。
我ながら自分の大胆さに呆れてしまう。

2014208chapter31sssss (9)
どんなに想ってもレイは過去の婚約者を忘れられないだろう。プレイボーイのくせに、遊び人特有の厭らしさを感じなかったのは心の奥にサラという婚約者を想い続けていたからだと、今なら分かる。

私のことなんかきっとただの友人くらいにしか思ってない。
でも。どんな形になってもいいから、レイと一晩一緒にいたかった。

2014208chapter31sssss (10)
きっとそうすれば諦められる。
レイのことは思い出に出来る。

心の中はレイでいっぱいな癖にそう自分に言い聞かせることしかできず、私は再びため息をついた。









2014208chapter31sssss (12)
「シャロン、変わった。何かあったでしょ」

そう言って私の顔をじっと見つめてくるのは友人のリアナだ。私の所属しているモデルクラブで事務の仕事をしている。明るくて裏表のないさっぱりとした性格で一緒にいて疲れない数少ない同性の友達。

2014208chapter31sssss (14)
「別になにもないわよ」

まさか自分の中の気持ちが外にまで出ているなんて思っていなくて、私はちょっと慌てた。
それにここはカイトのいるカフェだ。本当はここに来る予定はなかったのに、買い物がおわったあとリアナが「いいカフェがある」と連れてこられてしまった。

2014208chapter31sssss (13)
「ふ~ん。そうかなあ。なんか最近すごく可愛くなった気がするんだけど」

職業柄「綺麗」だといわれることは多くても「可愛い」と言われることはあまりなくて、リアナの言葉に驚く。可愛らしさなんて以前の私なら持ち合わせていなかった。憎たらしさには自信があったけど。


2014208chapter31sssss (15)
「ありがと。それよりリアナ、彼とうまくいってるの?」

リアナの彼は一流企業で働くビジネスマン。いつも忙しくてなかなかゆっくり会う時間がないとぼやいていた。

「うーん・・・。彼本当に忙しいらしくて、メールの返事もくれないときがあるのよ」

2014208chapter31sssss (16)
「でも好きなんでしょ」

「・・・好きだから我慢できてるの。彼じゃなかったら速攻でサヨナラよ」

2014208chapter31sssss (17)
誰かを好きになるということはそれだけ心に弱みを持つことだと思ってたけど、今はそれだけ素直に彼のことを好きだと言えるリアナがとても羨ましく感じる。

その時リアナの携帯が鳴った。

2014208chapter31sssss (18)
どうやらメールらしく、その液晶画面に向けたリアナの表情が嬉しそうにほころぶ。

2014208chapter31sssss (19)
「彼から?」

「もう失礼しちゃう。今近くにいるらしくて、食事でもしようとか誘ってきたの。忙しいのは自分だけだと思ってるのかしらね。私だって用事があるって断るから」

私の問いにリアナがわざと事もなげに言った。でも言葉の端々に彼から連絡がきたという喜びが滲んでいる。

2014208chapter31sssss (20)
「彼に会いたいんでしょ?私はいつだって会えるんだから、彼のとこに行ってあげて」

「・・・・いいの?」

「そのかわり、今度お茶するときはリアナのおごりね」

2014208chapter31sssss (21)
「・・・シャロン、ありがと!ケーキでも何でもおごっちゃうから!」

じゃーね、と言って早足で去っていくリアナはとても嬉しそうだ。


2014208chapter31sssss (22)
私もカイトから誘われたらあんな風に喜ぶんだろうか。

ふと沸いて来た自分の思いを慌てる。カイトのことは・・・別にそんなんじゃない。
絶対に・・・違うんだから。

2014208chapter31sssss (23)
「シャロン?シャロンじゃん」

ふいに声をかけられて頭を上げると、そこにいたのは遊び友達の一人デュークだった。

2014208chapter31sssss (24)
「久しぶりね。こんな昼間にデュークに会えるとは思わなかったわ」

デュークが動き出すのは早くても夕方からだ。クラブの用心棒のような仕事をしていて朝まで仕事という生活サイクルをしていたら自然にそうなってしまったと以前言っていた。

2014208chapter31sssss (25)
「昨日今日と休みが貰えたからな。それより、最近全然集まりにこねーじゃん。相変わらずセレブ狙いで頑張ってんの?」

「ちょっ!!声が大きいのっ!」

ちょうどカイトが隣の席に注文を取りにきていて、今の話が聞こえるんじゃないかとヒヤヒヤしてしまう。

2014208chapter31sssss (26)
立ったまま話し続けようとするデュークの腕をひっぱり、とにかく席に座らせた。

ちらりとカイトがこちらに視線を送ってきたのがわかる。
カイトの視線が私の顔に当たって、それだけでちりちりと焼けるように熱くなった。









一体何なんだ。

2014208chapter31sssss (31)
シャロンが友達とカフェに突然現れて喜んだのもつかの間。その友人と入れ替わりに現れた男に親しげに接するシャロンを見てしまってからイライラが収まらない。

クリスマスパーティーのときに俺に見せた態度は・・・俺の勘違いだったっていうのか。

2014208chapter31sssss (32)
「カイト、シャロンの連れの注文は?」

のんびりした様子で尋ねてくるジェイクにさえひどく腹がたってしまう始末だ。

「・・・お前が取りにいけよ。俺は忙しいんだ」

2014208chapter31sssss (33)
「はあ?俺は本職パティシエなんだぜ?!注文とってくるのはお前の仕事だろーが」

「断る」

「何一人でイライラしてんだ。俺はしらねーからな」

2014208chapter31sssss (34)
俺の様子に呆れた様子でジェイクはそのままケーキを作る厨房へと姿を消してしまった。


2014208chapter31sssss (35)
シャロンと男のほうへ視線を向けると、二人は楽しそうに笑いながら話している。

俺と話している時はいつも不機嫌な顔をしているくせに、惜しみなく笑顔を振りまいているシャロンにまた怒りが沸いてしまう。

2014208chapter31sssss (36)
嫉妬・・・ってやつなんだろうな。
今まで女に対してこんな感情を持ったことがなかったせいで、この感情との向き合い方がわからない。
かと言って自分の中にしまい込んでおけるようなものでもなくて。

ため息をつきながら、俺はシャロンの席へと向かった。

2014208chapter31sssss (30)
近付いていく俺を見てシャロンは先ほどまで楽しそうに笑っていたのに、途端に口を噤む。そんな態度に俺をシャットアウトしているような雰囲気が感じられた。

「ご注文は?」

感情を込めないように、努めて冷静に連れの男に尋ねる。

2014208chapter31sssss (28)
「ビールねえの?」

「うちはご覧のようにカフェですからアルコール類は置いておりません」

「なんだよ、シケてんなあ。んじゃコーヒーでいいわ」

「かしこまりました」

2014208chapter31sssss (29)
近くで見るとつれの男は女好きしそうなワイルドな男で、自分にはないものを見せ付けられた俺は更に苛立つ。

シャロンはこういうタイプの男が好きなのか?

2014208chapter31sssss (27)
「・・・なんだよ」

注文をとり終わったはずのギャルソンが動かないことに男は訝しげな目を向ける。
お前は一体シャロンとどんな関係なんだと問い詰めたい衝動をやっとの思いで押さえ込み、一礼してその場を去った。





2014208chapter31sssss (38)
シャロンとあの男の様子を見ているのが辛くなった俺は注文を通し、他の客が引いたタイミングを見計らって店舗2階の事務所兼休憩室のソファに座り込んだ。

シャロンが色々な男と付き合っていたのは知っている。

2014208chapter31sssss (39)
でも俺の前で涙を見せた後、シャロンは少しずつ変わっていった。その姿に俺の心の中に占めるシャロンの割合はどんどん増えていって。

自分のことをシャロンも好きなのではないかという自意識過剰なことまで考える始末だ。

2014208chapter31sssss (40)
今まで付き合ってきた女が俺に見せる嫉妬心や独占欲をうっとうしいと思っていた。

それは自分が本当の意味で彼女たちに惹かれていなかったからだとようやくわかった。
人は本気で誰かを好きになれば、その相手を自分だけのものにしたくなる。


2014208chapter31sssss (41)
・・・・・。
シャロンを誰にも渡したくない。
俺だけを見ていて欲しい。

はっきりとそう言えたらどれだけ楽になれるだろうか。

2014208chapter31sssss (42)
そんなことを考えているとふいに部屋の扉が開き、シャロンが姿を見せた。
何故こんなところにシャロンが・・・?

2014208chapter31sssss (43)
「これ、ジェイクがカイトに持っていけって。一人でイライラしてるから今は顔を合わせたくないっていってたけど、何かあったの?」

そう言ってシャロンがテーブルの上に新しい注文伝票を置いた。
パーティーで見せたあの可憐な姿ではなく、いつもと同じシャロンの様子に俺は落胆する。

2014208chapter31sssss (44)
「別に。なんでもない。早くあの男の所へ戻ってやれよ」

みっともない言葉が自分の口から漏れることに俺自身驚いてしまう。
こんなことは言いたくないのに。
抑えることができない。
自分の感情をコントロールできないことなんて初めてだ。

2014208chapter31sssss (45)
「あの男はただの友達よ。勘違いしないで」

「そうか、お前は金持ち狙いだもんな。ああいうタイプは歯牙にもかけないか」

「・・・っ!!どうして・・・そんなこと言われなきゃいけないの?!」

俺の前に立っているシャロンの手が小刻みに震えている。

2014208chapter31sssss (46)
「今までは確かにそうだったわ!でも・・・っ・・・カイトが自分を大事にしろって言ってくれて本当に嬉しかったの!だから変わろうと思ったの!そんな風に思ってたならあんなこと言わないでよっ!!」

声を荒げてそう言ったシャロンはそのまま俺に背を向け、部屋と出て行こうとした。
違う。俺はそんな風に思ってない。シャロンは確かに変わったと思ってた。

だからこそ俺は・・・。

2014208chapter31sssss (47)
「だったら・・・っ!」

シャロンの腕を強く掴んで自分の方へ引き寄せた。
胸の中でシャロンは驚いた顔をして俺を見上げる。

「あんな男と楽しそうにするな」

嫉妬心が抑えきれない。もう誰にもシャロンを渡したくない。その想いだけが今の俺の全てだ。

2014208chapter31sssss (48)
「何言ってるの・・・」

俺の視線から逃れるようにシャロンが視線を俺から外す。

「こっちを見ろ」

シャロンが強い言葉に躊躇しているのが分かった。吸い込まれてしまいそうな大きな鳶色の瞳が躊躇いがちにゆっくりと俺の方へ向けられる。

2014208chapter31sssss (49)
「最初はなんて嫌な女だろうって思ってたよ。お前のこと。でも本当のお前は違うって気が付いてからお前を独占したいって思うようになった。だから・・・」

「俺だけを見てて欲しい。・・・嫌ならはっきり言ってくれ」

2014208chapter31sssss (51)
俺の突然の告白にシャロンが呆然としていたが、それも一瞬のことでみるみるうちにシャロンの頬が赤く染まっていく。

「・・・嫌じゃ・・・ない」

囁くようにシャロンが答えた。
その言葉は俺が今まで他の女に言われたどんな言葉よりも大切なものに思えた。

2014208chapter31sssss (50)
「好きだ」

ゆっくりとシャロンに顔を近付けると、シャロンもそのまま瞳を閉じる。

2014208chapter31sssss (53)
激しい胸の高鳴りを感じながら俺はシャロンにそっと口付けた。





                                chapter33へ続く



                        

chapter31

  • 2014/01/28 19:50
  • Category: Story
こんにちは♪今日は久々のストーリー更新です!

HQmod導入してからずっとストーリーでもそのまんまにしてたんですが
あまりにも強制終了が多発する(オブジェクトやシムが多いのでしょうがないんですけどね)
為、今回からストーリーの時はHQmodを抜いて撮影。

あまりの軽さ・ヌルヌルさにビックリしたよ!!
導入した時はそんなに重さがないと思ったんですけど、やっぱり負荷はかなりのものだったよう。

でも。アップにした時が全然違う・・・www
粗い!!

その辺は加工で誤魔化すしかないのか><

ではでは本編スタートです♪




20140128chap32ss (20)
ジェイクの唇が私の唇に重ねられている。その感触は二度目だったけれど、一度目のキスとは意味が違うことくらい私にでも分かった。

だけど・・・・・。

20140128chap32ss (21)
「ちょっと・・・待って・・・」
小さな声で抵抗すると今まで私を引き寄せていた腕の力がまるで嘘のように抜けていく。

20140128chap32ss (22)
「・・・ごめん」
私がその腕から離れると、ジェイクは顔を俯かせて叱られた犬みたいに切ない表情を浮かべる。
ごめんって・・・どういうこと?
今のはなりゆきのキスだったって意味なの?

20140128chap32ss (23)
「ごめんって何。一度したことがあるから二度するのも同じってこと?!」

「そういう意味じゃねーっよ!・・・だから・・・さ・・・その・・・」

「・・・ちゃんと言って欲しいの」

20140128chap32ss (24)
ジョシュアとのことを真剣に心配してくれたジェイク。心の傷をいつも隣にいて癒してくれたジェイク。ジェイクがいなかったらきっと・・・今みたいに笑えなかったと思う。
あれだけ好きだったジョシュアのことは気が付いたら心から消えていて。
その分だけどんどんジェイクの存在が大きくなってた。

私だってジェイクのことが好き。
でも・・・やっぱりジェイクからその言葉を聞きたかった。

20140128chap32ss (25)
「リサ。俺・・・」
強い意思を秘めた目で私を見つめたその瞬間。
ジェイクの背後から現れたのは・・・。

20140128chap32ss (26)
「やっぱりいた!!もう~!二人してそんなカッコで何してるのよ?!早く降りてきて!」
頬を膨らませたシャロンが私とジェイクを交互ににらみつけた。

シャロン・・・いつも空気読んでくれるのにどうしてこんな時だけ・・・。
行儀が悪いけど思わず胸の中で舌打ちしたい気持ちになる。

20140128chap32ss (27)
ジェイクがちらりと私に視線を送ってくる。

(今度はちゃんと言うから)

言葉にしなくてもそんなジェイクの想いが伝わって私はその時を待とうと決めた。








「メリークリスマス!!」

シャンパンを開けて乾杯し、それぞれが思い思いのオードブルに手を伸ばす。
目の前に並べられた食事はめちゃくちゃ旨そうだったけど・・・そんなことよりも俺はリサのことが気になって仕方なかった。

20140128chap32ss (28)
(ちゃんと言って欲しいの)

あの言葉は、その・・・リサも・・・俺のこと嫌いじゃないんだよな?
俺がきちんと自分の気持ちを伝えて付き合おうと言ったら首を縦に振ってくれるんだよな?

20140128chap32ss (29)
視線の先のリサはシャロンとカレンに囲まれて楽しそうに話し込んでいる。

クリスマスコスのリサは本当に可愛い。あのクリスマスコスチュームを作った奴に全力でお礼を言いたいくらいだ。

20140128chap32ss (30)
「・・・いいか。お前らリサのこと5秒以上見つめたら殴るぞ」

カイトとレイも男だ。あんな格好の可愛いリサがいたらおかしな視線を向けるかもしれない。
念のため釘を刺しておこうと俺は二人に向かって言った。

20140128chap32ss (31)
「お前は本当にガキだな。だから肝心なところで決められないんだよ」

レイがさっきの俺の行動を見ていたかのようにズバリと言う。
うう・・・。あたっているから何にも反論できねーじゃねーか。

20140128chap32ss (32)
「まあ、頑張れよ。一応応援はしてやるから」

カイトのしたり顔も気に食わない。
こいつら・・・。ほんとムカつくぜっ!!












20140128chap32ss (33)
パーティーの楽しい雰囲気を壊さないように私はそっともう一つのリビングに移動する。

こういう時のマナーとして携帯の着信はバイブレーターにしてあったのだけど、少し前にメールを受信していたらしい。液晶にメールのマークが出ていた。

20140128chap32ss (34)
「スターウッドホテルのバーで待ってる。 マーク」

液晶画面に表示された一文に私はドキリとさせられる。マーク。あのことがあってから、ずっと連絡してこなかったのに・・・一体どうしてこんな時に?
マークの考えが分からない。
優しそうで紳士に見えるマークの考えはいつも見えず、踏み込むことに躊躇してしまうのだ。


20140128chap32ss (35)
「どうした」

20140128chap32ss (36)
「・・・別にどうもしないわ。仕事のメールが来てただけ」

突然現れたレイに私は慌てて携帯を隠した。
マークとのこと・・・レイはきっと誤解している。首元につけられたキスマークを見れば誰だってそう思うんだろうけど。

「これ、やるよ」

20140128chap32ss (37)
そう言ってレイが手渡してきたのは一冊の真新しい本。印刷したての本の匂いがした。

「・・・?!これ・・・ジャックの新刊じゃない!確か来年発売のはずじゃ・・・」

私の大好きな絵本作家であるジャックの新しい本だった。まだどこの本屋にも置いていないはずなのに・・・どうしてレイが??

20140128chap32ss (38)
「こう見えて人脈はけっこうあるんだぜ。知り合いから刷り上ったばっかりの本をもらってきたんだ。・・・お前が喜ぶと思って」

照れくさそうにレイが言った。
言葉には出さないけどきっとこのプレゼントにはこの間の料理のお礼の意味もあるんだろう。

20140128chap32ss (39)
レイのこういう所・・・本当にずるい。もうレイへの気持ちを消そうと必死で頑張っているのに、こんな風に優しくされたら・・・。

諦められなくなっちゃう・・・じゃない。

20140128chap32ss (40)
「ありがとう。すごく嬉しいわ。あとでじっくり読ませてもらうわね」

笑顔でお礼を言う。嬉しいはずなのにこの気持ちのやり場がなくて何だかとても切なくなった。






クリスマスパーティーがお開きになって後片付けをしていたら、もう12時を回っていた。
マークからのメールを受信したのは21:00すぎだ。もう帰ってしまったかもしれない。

でももし待っていたら・・・?

そう考えたらこのまま寝てしまうのは気が引けて私はスターウッドホテルへタクシーで向かった。

20140128chap32ss (4)
バーの入り口からそっとのぞくとカウンターに座っているマークの広い背中が見えた。

「こんな時間までどうして・・・」

マークの後ろから声をかける。マークが私を見つめながらゆっくりとスツールから立ち上がった。

20140128chap32ss (5)
「今夜どうしても君に会いたかったんだ」

その言葉も声の響きも真摯で誠実さに溢れているというのに、何故か私の心に入ってこない。
マーク自身の発しているつかみどころのなさがそう感じさせるのだろうか。

20140128chap32ss (7)
「君にこの間のことを謝りたい。少し・・・関係を急ぎすぎて君を困らせてしまったね」

20140128chap32ss (6)
「・・・わからないの」

マークにはきっとうわべだけ取り繕った言葉は通用しないだろう。だから私は自分の正直な気持ちを話そうと決める。

「わからない?・・・何が、かな」

「あなたのことは素敵だと思うわ。優しいし、一緒にいても楽しい。でも・・・貴方が何を考えているのか時々分からなくなって不安になるのよ」

20140128chap32ss (8)
マークはじっと私を見つめたまま、口を閉ざしている。

「今は貴方を選ぶとも選ばないとも言えない。だから・・・少し時間が欲しいの」

私に何か言おうとマークが口を開く。でもすぐにそれは苦い笑いに変わった。

20140128chap32ss (9)
「何を言っても・・・駄目みたいだね。わかった。君の気持ちが固まるまで待っているよ」

そう言って私の横を通り抜けてマークが去って行った・・・・。









クリスマスパーティーを終えた俺を待っていたのは仕事だった。カレンに渡した本をついこの間書き終えたばかりだというのに、もう次回作を書かなくてはいけない。

年末はカイトもジェイクも店が休みで家にいることが増える。仕事がはかどらなくなるだろうと、俺はスターウッドホテルの部屋を取って年内いっぱいはここに篭ることにした。

バーで少し飲みなおそうと俺はホテルのバーへと向かっていた。バーの入り口が見えてきたその時。

20140128chap32ss (10)
見覚えのある男がバーの扉から出てきて足早に去って行く。

マーク?!どうしてこんな所に?
クリスマスパーティーにカレンが参加したことで、マークとあうことはないのだろうと思っていたのだがまさか?
嫌な予感がして俺はバーへと急いだ。






「・・・レイ」
「カレン。何で今頃こんなところに」

20140128chap32ss (11)
バーへ入っていくとカウンターの前で所在なげに立ち尽くしているカレンとすぐに視線が合った。

20140128chap32ss (13)
この状況。カレンはマークと会う約束をしていたことになる。
それもクリスマスにだ。

ただそれだけで胸の中がちくちくと痛む。同時に思い出したくもないあのキスマークを思い浮かべてしまって自分自身の嫉妬の炎に油を注いでしまう。

20140128chap32ss (12)
「・・・ちょっと人と会ってたのよ。レイは誰かと待ち合わせなの?」

「生憎俺はマークのように女もいないんでね。仕事でこのホテルで缶詰になる予定しかない」

「・・・・。今はその話、やめて。飲みに来たんでしょう?座ったら」

カレンの様子が違う。いつもなら俺のつっかかりをこういう風にかわしたりはしない。
何故だ?その理由が知りたくて俺は言われるがままにカレンの隣のスツールに腰を沈めた。







20140128chap32ss (14)
「随分と大人しいな。いつもなら言い返してただろ」

「今日はクリスマスでしょ。いつもみたいに喧嘩するのもバカらしいわ。それに・・・そんな気にもならないから」

そう言ったカレンの顔が沈んでいる。

バーを早足で出て行ったマークが浮かんできて、カレンにこんな顔をさせるのはあいつの仕業だと直感した。
一体何があったんだ。まさか・・・サラの時と同じように・・・カレンの気持ちを引き寄せておいて振ったんじゃないのか。
嫌な想像ばかりが頭を過ぎる。

20140128chap32ss (15)
「クリスマスなのに女っ気がないのね。遊び人のくせに」
カレンが笑みを含んでこちらを見た。

「寂しい一人のクリスマスだよ。慰めて欲しいもんだ」

酒の力もあったせいだろうか、普段は言えないことも笑い話として口にできる。
その言葉にカレンは暫く黙ったまま、手元のカクテルに目を落とした。

20140128chap32ss (16)
「いいわよ。慰めてあげる」

「・・・・何言ってんだ。冗談に決まって・・・」

慌てた俺とカレンの視線がぶつかり合う。カレンの目は冗談を言っている目じゃない。

「女に恥をかかせないで。私がいいって言ってるのよ」

20140128chap32ss (18)
何かを思いつめたような瞳。カレンの好きな相手はマークだったはずだ。それが今俺に身を委ねると言う。その理由はたった一つしかない。

マークに傷つけられてその代わりとして俺を求めている。

屈辱だと感じるべきだった。でも俺はそんなことより、ずっと求めていたカレンが気まぐれにでも俺を求めてくれたことのほうがずっと大きなことで。
カレンから伸ばされた甘い誘惑の手を振りほどくことが・・・できない。

20140128chap32ss (19)
返事の代わりにカレンの手を握り、バーを後にした。







躊躇したのは最初の瞬間だけ。

20140128chap32ss (1)
部屋にたどり着くと言葉を発するのももどかしくカレンを抱き寄せる。

20140128chap32ss (2)
一度口付けてしまうと、今まで抑えてきたことがまるで嘘のようにとめどなく溢れてくる。

20140128chap32ss (3)
カレンへの想い、そして欲望が俺の中で燃え上がっていくのを感じた。




                                  chapter32へ続く

chapter30

  • 2014/01/15 18:58
  • Category: Story
こんばんは!今日はストーリーの更新になります!

HQmodを導入しているせいか、撮影の途中で強制終了多発><
シャロンたちの住んでいる家でクリスマスしたかったんですが、オブが多すぎて
とても撮影できない状態にww

急遽パーティーは別会場になりました(笑)

ストーリー撮影のときはHQmod抜いたほうがいいのかも・・・。

ではでは本編スタートです^^




2013115chap30ss (1)
一体どうしてしまったんだろう。
自分の気持ちがまるでコントロールできなくなっていることに私はため息をついた。
カイトに思いもかけない優しい言葉をかけられて、泣いた。
子供のように泣きじゃくって泣きつかれてそのまま寝てしまうという行動をとった自分が信じられない。

2013115chap30ss (2)
・・・ううん。違う。
信じられないんじゃなくて、認めたくないだけ。

それはわかってる。

あの瞬間、私は完全にカイトに心を許していた。思いきり甘えていた。
そしてそれがとても心地よかったのだ。

自分の意識がはっきりしたあとはとても恥ずかしかったけど、それで終わりにならなかったから今もこうして悩んでしまっている。

2013115chap30ss (3)
カイトを見かけるとドキドキする。
訳のわからない切なさに襲われて胸が締め付けられる。
顔が理由なく火照る。

今まで感じたことのない感情がカイトに生まれているのは確かで、でもその感情は一体何なのか知ることが怖い。
気を紛らわせるために好きなブランドのサイトを見ていたのに、どんな素敵な服も頭に残らない。

2013115chap30ss (4)
「ドキドキする 胸が苦しい 切ない」

自分の感じていた感情を言葉にして戯れにグーグルで検索をかけてみる。
すると一番最初に出てきたのは「好きな人に対する気持ち」というもので、思わず慌ててブラウザを閉じた。

2013115chap30ss (5)

好きな人・・・・。私はカイトのことを好き・・・なの?




2013115chap30ss (6)
「あ、シャロン!いたいた!」
仕事から戻ってきたらしいリサの声が聞こえて私は立ち上がって振り返る。
「何か調べ物してたの?」
「ううん。ちょっと暇だったからネットサーフィンしてただけ」

2013115chap30ss (8)
リサに隠すつもりはなかったけど、自分自身ですらあやふやな気持ちをどう伝えていいか分からなくてそう答えた。
「クリスマスパーティーのことなんだけどさ、カレンも参加できるんだって」
リサが嬉しそうに笑った。

クリスマスパーティーのことは聞いている。どうせジェイクがリサを誘いたくて、でもはっきり二人で過ごしたいといえなかったんだろう。
詰めの甘いジェイクと少し天然な所のあるリサならそういう結果になるのも無理はないと私は一人心の中で笑った。

2013115chap30ss (9)
「カレン?でも付き合っている人がいるんじゃなかったの?」
カレンにははっきり「恋人」と呼べるような仲ではないにしろ、定期的にデートをしている相手がいたはずなのに。クリスマスに限って会わないなんて一体どうしたんだろう。

2013115chap30ss (10)
「詳しいことは話してくれないんだよね。別れたわけじゃないみたいなんだけど・・・ケンカでもしちゃったのかなあ」
「そっか。じゃあパーティーは全員参加ってことね」

カイトも来るのかと聞きたかったけど、そこまではっきり聞くのも恥ずかしくて私は言葉をぼかす。

2013115chap30ss (7)
リサは何の疑いももたずに勿論、と頷いた。
「カレンは料理が上手だからディナーをおまかせしちゃおうと思って。シャロンも手伝ってくれるでしょ?」

2013115chap30ss (11)
料理を作ること・・・。私がこの世で一番苦手なものだ。
食べることは好きだし、美味しいものに目がないのに料理だけは作りたくない。職業柄自炊したほうがいいのだとモデルの先輩から口うるさく言われるけれど、どう頑張っても上達しない料理に完全に匙をなげていた。

「私は料理作るの嫌いなの。それにカレンも手際が悪い私がキッチンにいたらやりにくくなると思うわ。私はクリスマスの飾りつけ担当でいいでしょ」

2013115chap30ss (13)
「そっかー。じゃあシャロンはカイトとレイと飾りつけお願いね」
カイト、という言葉が出てきただけで心臓が跳ねる。
今まで何人もの男と付き合ってきたけど、こんなことは初めてだった。

2013115chap30ss (14)
これが恋、というものなのだろうか。
だとしたら何て苦しいものなんだろうと胸の痛みに目を伏せた。









そしてクリスマス・イブ・・・・。


2013115chap30ss (15)
「本格的に降ってきたな。積もりそうだぜ」
レイが窓の外をみつめながらそう呟く。夕方からちらついていた雪がどうやら本降りになったらしい。

気を利かせたレイが、知り合いが遊ばせているという家を借りてクリスマスパーティーをすることになった。
そう決まった時に不満そうな顔をしていた女3人も、この家の最新のキッチンや設備に満足したようだ。


2013115chap30ss (16)
「雪なんかよりやることがあるでしょ。手伝わない気じゃないでしょうね」
俺がレイに言おうとしていたことをカレンが代弁してくれた。

2013115chap30ss (17)
「暇なら食器を並べるの手伝って」
「口うるさい女は行き遅れるぞ」
「余計なお世話よ」

カレンとレイがポンポンと軽口を叩き合う。この二人は傍目から見ても落ち着いているし、似合いだと感じる。過去に女性問題でトラウマを抱えているレイがカレンとの関係でそのトラウマを払拭できればいい。

2013115chap30ss (18)
そんなことをぼんやりと考えていると隣のシャロンからオーナメントを渡された。
「・・・これ、飾って」

クリスマスツリーの飾りつけの役目は俺とレイ、シャロンの3人が担当するはずだったのにレイが早々に飽きてしまったので俺とシャロンだけで続けていたのだった。
この間の出来事以来、シャロンは微妙に俺を避けているような気がしている。

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以前のように敵対心むき出しにする、というわけではなく俺と目が合ったり会話に俺が参加すると逃げるといった感じだ。
シャロンとの距離が近付いたと思っていたのは俺だけだったんだろうか。

「わかった」
シャロンの差し出したオーナメントを受け取る。

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その瞬間、シャロンの手に俺の手が触れた。

2013115chap30ss (21)
「あ・・・・」


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シャロンが小さな声を上げて手を引く。
その頬がみるみるうちに赤く染まっていくのを俺は信じられないものを見るような気持ちで見つめた。

2013115chap30ss (23)
まさかとは思っていたが、そう考えればシャロンの取ってきた俺への行動の全てに説明がつく。
導かれた答えはただ一つ。
それは・・・。

2013115chap30ss (24)
「なんだ、まだ終わってないのか。カイトにしちゃやることが遅いな」
食器を並べ終えたらしいレイが近付いてきた。

「サボってるお前に言われたくない。ちゃんと手伝えよ」
「手伝ってやろうと思って戻ってきたんだよ。しかしこのツリー、随分とでかいな」
レイの言う通り、このツリーはかなり立派なものだ。そのせいで飾りつけが大変だった。

2013115chap30ss (25)
「あとこれだけ飾ったら終わりよ」
シャロンが一際大きな星のオーナメントを指差した。

「てっぺんに飾るやつか。俺でもちょっと届きそうにないな。シャロン、俺が肩車してやるからそれ飾ってくれ」
レイがこともなげに言った言葉に俺は反射的に反論していた。
2013115chap30ss (26)
「俺が飾る」
「おいおい。男を肩車するなんてそんなクリスマスは勘弁してくれよ」

シャロンにレイが触れる。そう考えただけで腹が立つ。

2013115chap30ss (27)
「じゃあ俺が肩車すればいんだろ。シャロン、乗れ」
「えっ・・・?」
突然の俺の言葉にシャロンも驚いた表情で俺を見つめる。

「いいから早く」
「う・・・うん」

2013115chap30ss (28)
シャロンを肩車して立ち上がると、その体の軽さに驚いた。モデルをしている、ということから細いだろうとは想像がついていたがここまで軽いと華奢すぎて心配になるほどだ。
「もうちょっと右・・・そう、そこだ」

2013115chap30ss (29)
レイがニヤニヤと含み笑いをしながら肩車されたシャロンにオーナメントの位置を教える。

2013115chap30ss (30)
「よし、これで飾りつけは終わりだな。カイトご苦労さん」
「お前は一言余計なんだ」
シャロンを下ろした俺はレイを軽く睨みつけた。






「う~ん!いい感じにできたっ!」

2013115chap30ss (33)
ケーキのデコレーションをしていた俺の隣でリサが嬉しそうに声を上げた。
オーブンから取り出したクッキーの美味しそうな匂いが俺の鼻腔をくすぐる。

リサは意外と(って言ったら失礼か)料理が好きなようでそこも俺は嬉しかったりする。
今時「料理は女がするもんだ」なんて古臭いことを言うつもりは全然ない。
でもやっぱり女の子らしさを感じてしまうことは確かだ。

2013115chap30ss (31)
「美味そうじゃん。リサって意外と料理好きなんだな」
リサの背後からクッキーを覗き込む。
「昔はお菓子作りとかけっこう好きだったんだー。最近は時間なくてやってなかったけど楽しいよね」
にっこりと笑って答えるリサからクッキーとは違う甘い香りが漂ってきて、俺はドキドキしてしまう。

リサっていつもいいにおいがするんだよな・・・。
柔らかそうでいい香りがする。まるでリサ自身がスイーツみたいだ。

2013115chap30ss (34)
ってそんなバカなこと考えている場合じゃねえ!!
「一つ味見~!」
誤魔化すように俺ははしゃいでクッキーに手を伸ばす。
「ちょっとジェイク!だめだってば!!」

2013115chap30ss (35)
伸ばした俺の手をリサが押さえて、軽く叩く。その様子はまるで恋人同士がじゃれあってるみたいに思えて俺は益々胸の高鳴りが激しくなる。

2013115chap30ss (36)
「味見は私がするの!パティシエ様に先に味見されるの嫌だもん」

拗ねたように唇を尖らして抗議するリサは、まじで可愛い。というか、可愛すぎる。
自分のその思いを我慢できなくなって、俺はそのままクッキーを一つつまむとひょいとリサの口に運んだ。

2013115chap30ss (37)
「じゃあ先に味見してみろよ」
「ん」

「何するのよ」って言われて拒否されるかと思っていたのに、リサは俺の差し出したクッキーを何の迷いもなく頬張る。

これってさ・・・ちょっと自惚れていい感じなんだろうか。
少なくとも俺のことを嫌いでは・・・ないよな?
一番心配なのは「いいオトモダチ」という最悪な生殺しポジションに収まっちまうことだけど・・・。

2013115chap30ss (40)
「美味しくできたみたい」
「そっか。じゃあ俺もあとでいっぱい食う。つーかほとんど全部食う」
「え?!いくらスイーツ好きでもクッキーばっかり食べちゃ栄養偏るってば」

2013115chap30ss (41)
最近やっとわかったこと。それはリサは少々天然が入っているということだ。だから俺が必死に自分の気持ちをアピールしてもポイントがずれた捕らえ方しかしてくれない。
どうやらリサには直球勝負しか手はないらしい。

2013115chap30ss (42)
「それよりあれ・・・そろそろ行かないとダメだよね」
リサが声を潜めて俺に言った。アレ、とは俺が考えたちょっとしたサプライズでサンタのコスプレをした俺とリサがケーキを皆のところに持っていくというものだ。

2013115chap30ss (43)
リサのコスプレが見たいから企画した訳じゃない!断じて違うぞっ!!
ただパーティーするよりこういうのもあったほうが盛り上がるだろって言う俺の親切心からで・・・。

「ケーキできそうだからそろそろか。じゃあリサ、先に二階行って着替えておけよ。二人でいっぺんに消えると怪しまれるから俺も後でケーキ持っていく」

2013115chap30ss (44)
「オッケー。じゃあ先行ってるね」
二階の部屋に衣装を置いてある。そこで着替えたほうが他の4人に見つかる心配がないだろうってことでそうなった。リサはクッキーを置くと賑やかなリビングをこっそりと出て行った。





「リサ・・・?もう準備できたか?」
二階にあがりそっとリサに声をかける。

「うん、もう準備できてるよー」
部屋の中でリサは既に可愛いクリスマスの衣装に着替えを終えていた。

2013115chap30ss (46)
か、可愛い・・・・。
想像してたより実物のほうが100倍可愛い。
赤い衣装のスカート丈は短くて、そこからすんなりと伸びるリサの白い脚に目を奪われるのは男として仕方ないことだ、と開きなおる。
それにしてもコスプレの破壊力、はんぱねーな・・・・。

2013115chap30ss (47)
「ジェイク、早く着替えないと!!」

2013115chap30ss (49)
「あ、ああ。そうだったな。じゃ着替えるから」
上着を脱ぐと、リサが顔を手で覆い隠した。
「ちょっと待って!!私がいるのに堂々と着替えないでよ!」

2013115chap30ss (50)
「別に男だしいいだろ。いちいち隠れて着替えんのもめんどくせーし、それにリサ初めて会ったとき俺の裸見てんじゃん」

「あ、あれは・・・!不可抗力ってやつよ!ジェイクってほんとデリカシーないんだからっ!」
そう言ってリサは俺の姿が見えないように背を向ける。

2013115chap30ss (51)
「よしっ、準備完了だ!行くか~」
サンタ服に着替え終えてリサにそう声をかけると、誰かが階段を上ってくる足音と話し声が聞こえて俺達は慌てた。

ここで見つかったらサプライズの意味がなくなっちまう!!

2013115chap30ss (52)
「ここ!早く隠れて!」
リサが声を潜めて俺をクローゼットへ押し込んだ。だんだん声が近くなってきてそれがシャロンとカレンの声だと分かる。

「リサー?いるのー?」

2013115chap30ss (55)
二人が二階へ上がってきたらしく、リサが慌ててクローゼットに身を滑らせる。
クローゼットはそこそこの大きさがあったが、それでも大の大人二人が入れば身を寄せ合わないと隠れられない。

リサの柔らかい金髪が俺の頬に触れる。
それだけじゃない。いつの間にか体が密着していて、リサの体温や息使いまではっきりと分かる距離だ。

2013115chap30ss (53)
「いないみたい。全く何処に行っちゃったのかしらね。パーティー始められないじゃない」
「ジェイクもいないみたいだから二人して足りないものでも買いに行ったのかもね」

クローゼットの外からそんな会話が聞こえてくる。でも俺の頭の中はリサのことだけで占められていた。
俺の胸にくっつくようにしているリサをゆっくりと見下ろす。

2013115chap30ss (54)
見つかるんじゃないかと緊張した顔で息を潜めているリサ。
そのピンク色の唇に俺の目は奪われて・・・・。

やばい・・・やばいぞ!俺!もう・・・色々とやばすぎる。

2013115chap30ss (56)
「・・・行ったみたい。危なかったねー」
最悪のタイミングでリサが顔を上げた。きっとリサの目に映る俺の表情は強張っているだろう。
それは緊張のせいじゃない。
理性のリミッターが振り切れそうで煩悩と戦っているための強張りだ。


「リサ・・・」
自分の声がどこか遠くで聞こえる。我慢が限界値を超えたことを悟った。
「ジェイク?」
不思議そうに顔を見つめるリサが可愛くて。本当に好きで。もうどうしようもなくて。

2013115chap30ss (57)
俺はリサの腰をぐいと引き寄せ、リサの唇に自分のそれを重ねた・・・・。





                               chapter31へ続く

chapter29

  • 2013/12/26 17:21
  • Category: Story
こんにちは♪

今日は予告通りstoryの更新になります^^

年内最後の更新になると思いますので、storyが終わったあとに
ご挨拶させていただきますね!

ではでは本編スタートです。




夢を見ていた。

夢は自分の深層心理を映し出す鏡とも言われているらしいが、私の中の不安を表したかのように
辛かった時の夢ばかり見る。

20131226chap29sss (9)
夢の中の私は幼い頃の姿のままだ。

辛いことがあっても自分の力ではどうにもできなかったあの頃。



母は優しくて美しい人だった。

20131226chap29sss (14)
もともとそれなりの家柄のお嬢様だったが、それがあの男ジェフの獲物を狙う嗅覚にひっかかってしまったらしい。

同じ階級の上品な男たちしか知らなかった母を陥落させることはジゴロのジェフにはたやすいことだった。
母から理由をつけては金を巻き上げる段階に行くまでさほど時間も手間もかからなかっただろう。


ただ2つ、ジェフには計算外のことを母はやってのけた。

20131226chap29sss (18)
ジェフを愛するあまり母は見合いを推し進めようとしていた家を飛び出し、金になるようなもの・・・指輪やネックレス、宝石などの小さな金目のものを持ってジェフのもとへ飛び込んだ。

そしてもう一つの小さな秘密。それは母のお腹の中に宿っていた新しい命・・・私の存在をジェフに告げた。

20131226chap29sss (16)
ジェフはこの時何を思ったのだろうか。それは私にも分からない。
ただ母を追い払うようなマネはしなかった。
母はそれを自分への愛だと思っているようだったが、きっと違う。
母の手の中にある宝石に目がくらんだだけだ。

この女からはまだ吸い取れる。あの寄生虫のような男はきっとそう思ったに違いない。

20131226chap29sss (17)
やがて私が生まれ1歳の誕生日を迎える頃、母が売るべきものがなくなった。ジェフがまともに金を稼いでくるはずもなく、途端に生活は困窮する。

母が持ってきた宝飾品の数々はかなりの金額になったはずだったがジェフ・・・私の父は節約などという言葉とは無縁に生きてきた男だ。
金がなくなったら新しい女に取り入ればいい。そしてそれがいつでもできてしまうほどジェフの容貌は端正で女を喜ばせる術にも長けていた。

20131226chap29sss (15)
どういう結末になるかは火を見るより明らかなことだった。

世間知らずの母とその幼い娘は捨てられ、苦しい生活を送ることになる。




20131226chap29sss (1)
「シャロンは本当に可愛い。パパにそっくりだわ」
母は私の髪を優しく撫でながら父の姿を思い出したようにうっとりとした表情になる。

20131226chap29sss (2)
この時の母が私は大嫌いだった。どうして自分を、そして娘である私を簡単に捨てた男を思い出して
そんな顔ができるのかと。

その父に似ているという自分すら嫌いになってしまいそうだった。

20131226chap29sss (3)
「パパなんていない。見たことないもの」
「あら。何度も写真で見せたでしょう?パパはとっても素敵な人だったのよ」

のんびりとした母の口調に私は苛立ちを募らせる。父親がいなくなって、頼るべき実家にも戻れず家事すらしたことのなかった母が私を育てるために一生懸命働いてくれることには感謝していた。
でもその原因を作ったのは父ではないか。どうしてその父を憎まないのか。

20131226chap29sss (4)
「素敵な人は家族を見捨てたりしないわ」

今でこそシングルマザーというのはそう珍しいことではないが、私の小さい頃はまだ「異端」だと思われていた時代だ。学校でそのことをからかわれることもあって、そんな時自分を捨てた顔も覚えていない父を激しく憎んでいた。

20131226chap29sss (5)
「シャロン。まわりからは色々言われるでしょう。そのことで貴方が辛い思いをしているのも知っているわ。でもパパのことを憎まないで。これはママからのお願いよ」

20131226chap29sss (6)
母の言葉に私は絶対に頷くものかとそっぽを向く。

この時の悲しそうな母の表情は今でもはっきりと思いだせる。






20131226chap29sss (13)
「お前は俺と同じだ。男から金を吸い取ってきただろう。俺と何一つ違ってはいないんだよ」

暗闇の中から父の声が聞こえる。

20131226chap29sss (11)
「私は・・・私はお母さんみたいになりたくなかった!ただ幸せになりたかっただけなのよ!貴方とは違うっ!!」

「その為に何をしてきた?金のある男に近付いて値踏みして、結局幸せになれずにいるじゃないか。まさしく俺の娘だよ。シャロン」

20131226chap29sss (12)
「違う!!私はあなたとは違うのよっ・・・・・・!!」






20131226chap29sss (19)
自分の上げた大声で目が覚めた。
ここは・・・自分の部屋だ。窓からは明るい日差しが出し込んでいる。
いやな夢・・・。

20131226chap29sss (20)
それから目覚めることのできた安堵感と同時に、ふとどうしてこんなところにいるのだろうという疑問が沸いて来た。

たしか私はギルバートに貰ったプレゼントを付き返すためにバーに行ったはず・・・。
そこからの記憶の糸を必死に手繰り寄せる。
飲んだカクテルからおかしな味がして急激に眠くなってそれから・・・。
私はギルバートに騙されたのだ。

20131226chap29sss (21)
「シャロン!!大丈夫なの?」
カレンとリサが部屋に飛び込んでくる。二人の表情があまりにもシリアスで、その表情から私は意識不明になってギルバートに弄ばれたあとここに運ばれたのだと思った。

20131226chap29sss (22)
「叫び声が聞こえたから起きたのかと思って来たのよ。・・・シャロン?」
「・・・大丈夫よ。私ギルバートに騙されたのね?」
「ギルバートに?違うわ。カイトが昨日の夜うちにシャロンを運んできてくれたのよ。それから医者を呼んでくれて・・・わけはシャロンから聞けって言われて何もしらないの。一体何があったの?」

20131226chap29sss (23)
カイトの名前を聞いた瞬間におぼろげながら蘇る記憶。
意識が混濁とした私の視界に一瞬だけカイトが見えた気がした。あれは・・・夢じゃなかったのね。
カイトは・・・私を助けてくれたんだ。

「・・・あのね。私ギルバートと別れるつもりだったの。その話をしにいったら飲みものに睡眠薬みたいなものを混ぜられてた。意識を失ったんだけどカイトが助けてくれたんだわ・・・」

20131226chap29sss (24)
「薬を盛ったですって?!あのプレゼント男、どこまで汚いのよ!!」
もともとギルバートに好意を持っていなかったカレンが憤りをあらわにする。
「カレン、そのことはあとでゆっくり話そう。まずはシャロンの体調のことが心配だから」

20131226chap29sss (25)
「ちょっと頭がぼうっとするくらいよ。大丈夫。先にカイトにお礼を言いに行きたいの。いい?」

ベットから立ち上がる私を二人は心配そうに見つめる。
足元がフラつくかと思ったけど、なんとか大丈夫そうだ。暫くすれば体から全ての薬が抜けて楽になるだろう。

「付いていこうか?心配だから」

20131226chap29sss (26)
「ううん、平気よ。一人で行ってちゃんとお礼をしたいから」
「わかったわ。でも何と言われようとあっちの家の玄関まではついていくからね」
カレンの有無を言わせない強い口調には優しさが滲んでいた。








20131226chap29sss (27)
「カイト、いる?」
カイトたちの家のドアはいつも無防備で夜以外鍵がかかっていない。扉を開けるとカイトが振り返った。

20131226chap29sss (28)
「大丈夫か」
「・・・うん。なんとか。あの・・・・」

今までカイトのことを煩わしいことを言う嫌なやつだと思ってた。でも嫌だと感じたのはきっと自分のやっていることを初めて真っ向から非難されたからだ。
他人のやることなんてまるで無関心なこの都会でカイト一人だけは違った。

20131226chap29sss (29)
「助けてくれて、ありがとう」
「とにかく無事なら良かった」

そこで一つの疑問が沸く。カイトはどうして私のことを助けられたのだろう?ギルバートといるところを見られたって恋愛関係があると思ったら私を助けることはしなかったはずだ。

「どうして私の様子が変だってわかったの」
その問いにカイトはいとも簡単に答える。

20131226chap29sss (30)
「ジェイクが言ってたんだ。シャロンは飲んでも飲まれるな、がモットーで男といる時は酒の量をセーブしてるって。だから泥酔しているお前を見たときすぐにおかしいと思った」

おかしいと分かったからすぐに助けてくれた。当たり前のことなのかもしれないけど、今までカイトとは顔を合わせる度に口論を繰り返してきた仲だ。
そのうち痛い目に合うぞ、と言っていたのに助けてくれるなんて。


20131226chap29sss (31)
「・・・お前もっと自分を大事にしろよ」
カイトの言葉が私の心の中の固くなったものをゆるやかに溶かしていく。

20131226chap29sss (32)
男なんて信じてなかった。信じたほうがバカをみると思っていたから。
男からはいつも優しい言葉をかけてもらえたけど、その言葉にはどれも下心が覗いていて結局男と女なんてそんなものだと思っていた。
だけど、カイトは違う。男と女、という前に人として私を心配してくれたのだ。
家族もない私にとってそれはどんな言葉より、心に染みた。

20131226chap29sss (33)
「なんで・・・泣いてるんだ」

カイトが驚いた表情で私を見つめた。そう言われて初めて自分の頬を濡らす涙に気が付く。
こんな所で泣いてはだめだと言い聞かせても涙は止まらない。

20131226chap29sss (34)
「だって・・・私・・・」
ひくっ、と子供のようにしゃくりあげてしまう。もう自分のコントロールできないところまで色々な感情が爆発してしまった。
ギルバートから助けてもらった安堵、そしてカイトの優しさ。
さまざまな感情が私の涙を後押しする。

20131226chap29sss (37)
困ったような表情を浮かべながら、カイトは私をそっと抱き寄せた。
その抱擁には男と女という生々しさは全くなく、ただ温かい。

20131226chap29sss (38)
「もう大丈夫だから。・・・泣くなよ」
耳元で聞こえるカイトの優しい声に私は子供のように声を上げて泣いた。







俺の膝で泣き疲れたシャロンがすやすやと眠っている。
まるで子供のようにしゃくりあげながら泣くシャロンに戸惑いながらも同時に彼女の弱さを知り愛おしい気持ちがこみ上げてくる。
20131226chap29sss (39)
出会いのときは最悪な女だと思っていた。そんなシャロンのことを気にしはじめたのはいつだっただろうか。バカンスの時?もっと前?
自分でも気が付かないほど自然にシャロンは俺の心の中に入り込んできた。

20131226chap29sss (40)
女のことを好きになったことは今までだって何度かあった。でもその時とはまるで違う。

「愛おしい」「大切にしたい」「守ってあげたい」
するりとそんな感情が出てくることに自分自身が戸惑う。

20131226chap29sss (41)
もう完全に俺の負けだな・・・・。
俺は小さく笑いながら彼女の髪を優しく撫でた。



20131226chap29sss (42)
「おっと・・・。邪魔したな」
二階で仕事をしていたレイが俺とシャロンの姿を見て勘違いしたらしい。再び2階へ上がろうとするのを俺は慌てて制止する。

20131226chap29sss (43)
「これは違う。勘違いするな」
「そう慌てるなよ。俺のいないときにしてくれたらもっと助かったけどな」
「だから違うって言ってるだろ・・・!」

シャロンを起こさないようになるべく声を抑えたつもりだったが、膝の上のシャロンがゆっくりと目を覚ました。

20131226chap29sss (44)
「・・・大丈夫か?」
起きたばかりで状況を把握していないぼんやりとした顔のシャロンは、子供のように無防備で思わず可愛いと思ってしまう。
俺とレイの顔に視線を走らせながらやっと今に至る状況を理解したようだ。

20131226chap29sss (45)
「私・・・帰るね。お邪魔しました」
そういうシャロンの頬がうっすらを赤みを帯びているように見えたのは俺の勘違いだろうか?
「まだぼーっとしてんだろ。家まで送る」
目と鼻の先とは言え、こんな状況のシャロンを一人にする気にはなれずソファから俺も立ち上がった。

20131226chap29sss (46)
「ううん。もう大丈夫だから、本当に」
シャロンは俺の申し出を断り、足早に家を出て行ってしまった。

20131226chap29sss (47)
・・・・・・。
気まずかったんだろうな。
普段強気な所しか見せなかったのにあんな姿を俺に見せたことが。


「なんだなんだ。お前の女性不信もどうやら終わりを告げそうじゃないか」
シャロンはいなくなった途端、レイがタバコに火をつけながら可笑しそうに笑う。

20131226chap29sss (48)
「お前な。そういう関係じゃないって言っただろ」
「あのじゃじゃ馬をどうやって飼いならしたのか教えてもらいたいところだ」
「そういう言い方はやめろ」
「人間ってのは自分の痛い所を突かれるとムキになるんだぜ」

20131226chap29sss (49)
「うるさい」
これ以上レイにからかいに付き合っていられるか。
俺は会話を打ち切るように視線を外した。

20131226chap29sss (50)
「おーーーい!!お前らっ!!」
扉が勢いよく開いて、ジェイクの大声が狭い部屋の中に響き渡る。全くいつも騒がしい奴だ。

「どうせお前らクリスマスの予定ないんだろ??」
「クリスマス・・・。もうそんな時期か」
「お前のことだ、どうせリサをクリスマスに誘えなくてみんなでって流れになったんだろ」

20131226chap29sss (51)
「カ、カイト!てめー余計なこと言うと誘ってやらねーぞ!」

ジェイクは全くもって詰めが甘い。
猪突猛進するくせに、肝心なポイントを抑えられないのはいつものことだった。

20131226chap29sss (52)
「レイ」
俺は隣のレイに顔を向ける。
「ん?」

「人間ってのは自分の痛いところを突かれるとムキになるっていうのは本当だな」
レイと俺は顔を見合わせながらニヤニヤと笑った。




                          chapter30へ続く




年内最後の更新でした~^^最後までみてくださって本当にありがとうございます。

今年は沢山のシム友さんが出来てとっても嬉しい一年でした^^

storyを読んでくださる方・コメントくださる方・拍手してくださる方
全ての皆様に感謝の気持ちでいっぱいです!

来年もまたどうぞヨよろしくお願い致します♪

今年一年ありがとうございました!!

chapter28

  • 2013/12/19 12:26
  • Category: Story
こんにちは♪今日はストーリーの更新になります!
いつものペースでいくと年内あと1回の更新なんですが、お話の展開上
あと2回はどうしても年内にやってしまいたい。゚ヽ(゚´Д`)ノ゚。

1回のお話に詰め込むのも無理だしなあw
なんとか2回更新を目標に頑張っていきます。

ではでは本編スタートです^^




ギルバートがシャロンの体に手を伸ばしたその瞬間。
ドンドンと扉が強くノックされた。

20131219chap28ss (1)
「お客様、いらっしゃいますか」
落ち着いた男の声が扉の向こうから聞こえ、ギルバートは舌打ちしながらシャロンの体から離れる。

20131219chap28ss (2)
「一体なんだ」
「申し訳ありません。お客様の下の階にいるお客様から天井から水漏れしているとの連絡がありまして・・・。バスルームを確認させていただけないでしょうか」
男の口ぶりは丁寧だが、確認しなければここから去りそうにない強さが感じられた。

20131219chap28ss (3)
「あとにしてくれ。今取り込み中なんだ」
「下のお客様は大変困っておられます。少しの時間だけでいいので、確認させてください」

20131219chap28ss (5)
(こんな時に・・・。くそっ)

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「確認したらすぐ出て行くな?水漏れしていたら部屋を変えるんだぞ」
「勿論です。すぐに代替の部屋を用意させていただきますので」
ホテルマンらしいてきぱきとした返答にギルバートは仕方なくドアの鍵を開けた。

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シャロンのカクテルに混ぜた薬は長時間効果が持続する。ホテルマンが出入りしても目が覚める心配はないだろう。

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扉を開けたその向こうにはホテルマンではなくカイトの姿があった。

「な、なんだお前は!!ホテルの人間じゃないのか!人を呼ぶぞ」
「人を呼ばれて困るのはお前の方なんじゃないのか」
ギルバートが閉めようとする扉を強い力で押し返し、部屋の中へ入り込む。

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「ふ、不法侵入だぞっ!!」
「シャロンが自分の意思でここに入ったことが分かれば土下座でも何でもしてやるよ」

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そう言ったカイトの目の飛び込んできたのはベッドの上で深い眠りについているシャロンの姿だった。

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「シャロン!おい、起きろ!」
カイトの呼びかけに反応1つ見せず眠っているところからして、普通の泥酔状態とは様子が違う。
「シャロン!しっかりしろ!」
幾度もシャロンに呼びかけるカイトの横でギルバートが一体どうしたらこの局面を切り抜けられるのか必死で頭を働かせていた。

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「う・・・たすけ・・・て」
カイトの呼びかけにシャロンが小さな反応を示す。だがそのまま再び深い眠りにおちていった。

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「・・・・・シャロンに何をした」
静かだが強い怒りを含んだ声でカイトがギルバートを睨む。

「な、なにもしてない!シャロンはただ飲みすぎただけだ!!人聞きの悪いこと言うな!」

「あんたがしらばっくれるなら警察でも呼ぶか?女に睡眠薬を盛って、ホテルに連れ込んだことが分かったらあんたの会社から食材を仕入れてるレカングループもすぐに手を引くだろうな。そうなったら主要取引先の一つが消えて、あんたの会社は立ち行かなくなる」

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レカングループはカイトの父親が経営する会社だ。カイトは一度ギルバートが父親と商談している姿を見かけたことがあった。
だがそうとは知らないギルバートは目の前の男があまりにも的確に自分の情報を知っていることに恐怖を覚えていた。

「・・・どうしてお前がそんなことを知って・・・」
弱みを見せまいと踏ん張っていたギルバートだったが、正体のわからないカイトへの恐怖から次第に弱腰になっていく。

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「そんなことはどうでもいい。シャロンが目覚めたらあんたをどうするか、シャロンに決めてもらう。せいぜいシャロンの温情を期待するんだな」

「・・・・・・」
「二度とシャロンの前に現れるな」

ギルバートは黙ったままカイトに背を向けてホテルの部屋から逃げ出していった。

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「・・・・お前ほんとバカだな。あれだけ痛い目見るぞって言ったのに」
言葉はきついが口調はシャロンの危機を救えたという安堵が滲んでいた。













「これでよし・・・と」

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レイの家のキッチンを借りてレイとカイト、ジェイクの分のハンバーグを作り終えた。
なかなか美味しくできたんじゃないだろうか。

これならきっとレイも喜んでくれる・・・はず。
それにしてもレイのリクエストがハンバーグなんて。大きな図体してるくせして子供みたいね。
思わず笑みがこぼれてしまう。

20131219chap28ss (31)
「あれー?カレン、どうかしたのか?」
外出から戻ってきたジェイクがキッチンに立つ私を見て不思議そうに言った。
「レイかなり熱があったわ。リクエストされたハンバーグを作ってたの。人数分あるからジェイクもどうぞ」

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「へー・・・・ふーーーん・・・」
私の顔を見つめながらジェイクがニヤニヤと笑った。

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「ちょっと!何なのよ、その笑いは」
「だってさー、前もレイに料理作ってあげてただろ。二人はいつからそういう仲なのかなーっと思って」

「勘違いしないで。私はただ寝込んでいる可哀想なレイにまともなものを食べさせてあげたかっただけよ!他意はないわ!」

20131219chap28ss (34)
「ムキにならなくたっていいだろ。益々怪しいぜ」
「残念でした。私にはもう彼氏がいますからね」

そう言ってからマークのことは果たして彼氏と言える存在なのかという疑問がよぎったが、もう細かいことはどうでもいい。とにかく誤解だけはされなくない。

20131219chap28ss (35)
「ねえ、ジェイク。レイの知り合いのマークって人知ってる?」
レイと仲がいいジェイクとカイトならマークのことを知っているだろう。レイ以外の第三者の口からマークの印象を聞きたかった。

それは自分の中に迷いがあるからだと思う。優しく紳士的なマークがふいに見せる全く違う顔にいつも戸惑ってしまう。何度か会っていてそれなりにマークのことを知っているはずなのに、時々知らない男のような気がしてしまう理由を突き止めたかった。

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「・・・知ってるけど。カレン知り合いなのか」
マークの名前を出した途端にいつも明るいジェイクの表情が曇った。

「ちょっとした知り合い程度よ。マークってどんな人なのか知ってたら教えて欲しいと思って聞いてみただけ」
「俺も直接の知り合いじゃないからこういうこと言うの何だけどさ・・・。あんまり友達になりたいタイプじゃねーよ」
奥歯に物がはさまったような曖昧な言い方をするジェイク。

20131219chap28ss (36)
「それは・・・レイの婚約者を奪ったから?」
「知ってんのかよ。レイに聞いた・・・訳じゃねーよな?」
「マーク本人から聞いたの。結局はうまくいかなかったみたいだけど・・・」

「・・・上手くいかなかったも何も・・・あいつの目的はもともと・・・」
そこまでジェイクが言って慌てたように口ごもった。

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「目的?目的ってなに?知ってるなら教えてよ」
「なんでもない。ただ俺がそうじゃないかと思ってるだけだから言えねーよ。カレン、まさか彼氏ってマークじゃねーよな?」

ジェイクの言い方はどう見てもマークに対する敵意に満ちていて、ここでマークだと言ったら責められそうで私は首を横に振った。
「違うわよ」

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「ならいいけど。とにかくあいつにはあんまり関わらない方がいいぜ」
レイもジェイクもマークに関しては「関わるな」の一点張りだ。こういう時同性の評価というものは男にしても女にしても的確だったりする。漠然と感じていたマークへの不安感が胸の中に広がっていくのを感じた。





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薬と食事の準備が出来たことを伝えに二階へ上がると、レイは安らかな寝息を立ててぐっすりと眠っていた。起こすのもなんだか躊躇われるほどに熟睡していて私はそのままレイの寝顔を見つめてしまう。
寝顔は誰でも幼く見えるものだがレイも例外ではなかった。

レイってこんなに下睫が長かったんだ。

そんな発見をしているとレイが小さく寝言を言った。

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「・・・サラ・・・行かないでくれ・・・」
サラ。マークが言っていたレイの婚約者の名前。
やっぱりレイは自分の元を去った婚約者のことが忘れられないのだ。

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そうじゃないかと思っていたけど、こうしてその証拠を付きつけられてしまうと心が痛くてどうにかなってしまいそうだった。

・・・・・本当は前から気が付いていた。私はレイのことが好きなんだって。

でもレイは・・・・。

これ以上レイの側にいると泣いてしまいそうで、私はそっとレイに背をむけた。

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「・・・ん・・・。カレン・・・?」
私の動いた気配でレイが目を覚ましたらしい。
「食事作ってあるわ。薬も買ってあるから食後に飲んで」
「ありがとう。助かったよ」

やめてよ。婚約者の名前を呼んだその後すぐに私に感謝なんかしないで。

20131219chap28ss (44)
「カレン?どうかしたのか?」
「どうもしないわ。じゃ、ゆっくり休んで。私は帰るから」
あまりにぶっきら棒すぎる言い方だと思ったけど、そうでもしないと自分を保っていられる自信がなくて。

20131219chap28ss (45)
「・・・・・悪かったな。そのキスマークをつけた相手にもそう伝えておいてくれ」
そうレイに言われ、私は反射的に首元のキスマークを手で隠す。

マークに付けられたキスマークはだいぶ薄く目立たなくなってきたから分からないと思っていたのに。
レイに気が付かれるなんて最悪だ。
こんなことならコンシーラーを使ってでも隠してくるべきだった。

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「・・・マーク、なんだな」
レイの声がいつもと違ってとても冷たい。怒りすら感じられる声音だ。

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「だったら何なの?レイには関係ないでしょう」

こんな言い方したくないのに。レイがサラの名前を呼んだあの瞬間から自分の感情をコントロールできなくなってしまっている。

「関係なくはないだろう。俺はあれほどマークには近付くなと言ったはずだ」

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「私はレイの言うことを聞かなくちゃいけないわけ?どういう権限で私を縛るのかしら?!自分は寝言で婚約者の名前を呼んでいたくせに!!!」

言ってはいけない言葉、レイを傷つける言葉ばかりが自分の口から飛び出してくる。
だって・・・そうでもしていないと自分を守れないから。そうしないと心が痛くて泣き出してしまいそうだから。
レイの顔も見ずに私は階段を駆け下りた。



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「おいっ・・・カレン?なに騒いでんだ?」



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「カレンッ?!どうしたって聞いてんだろ!」

「レイに聞けば!!!」

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「・・・・痴話喧嘩かよ・・・・ったく」










「ん~・・・洗剤はこれっ・・・と。あとは・・・」
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そう言ってカートにぽいぽいと日用品を放りこむリサを俺は側で見つめていた。
買い物に行くというリサに仕事帰りに会ったのは偶然にしちゃ出来すぎてる。
これはやっぱり俺達は赤い運命の糸で繋がれているんじゃないだろうか。

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「ジェイク、買い物なんかに付き合ったってつまんないでしょ?隣のカフェで待っててもいいよ」
「別に俺は構わねーって言ってんだろ。荷物とか重いだろうから持ってやる」
「いつもありがと。んじゃあとでコーヒー奢るよ」

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「隣のカフェ、モンブランが旨いんだ。それもつけて貰うぜ」
「あー!そうきたか」

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他愛のないことを話しながら、スーパーで日用品を買う俺達ってめちゃくちゃ恋人同士っぽくないか!?
そう考えるだけでテンションがウナギのぼりだ。
いつか本当の恋人になって夕飯の買い物とか一緒に・・・してみてぇーーー!!


20131219chap28ss (21)
「な、なあリサ。クリスマスの予定どうなってる?」
最近一番俺が気になっていることをやっとリサに聞けた。まさかもう相手がいるとは思っていないけど、リサは可愛いから変な男に声をかけられているかもしれない。

20131219chap28ss (22)
「予定なんかあるわけないじゃない。カレンは彼氏と過ごすだろうし、別れたばっかりのシャロンと二人の寂しいクリスマスよ」

心配していた男の影はないらしい。それに気を良くした俺は思いきってリサを誘ってみようと心の中で決意する。

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ジェイク!男だろ!!ビシッと決めてみろ!

20131219chap28ss (23)
「じゃ・・・じゃあクリスマス一緒に過ごさねー?」
俺の勇気を振り絞った誘いにリサは笑顔で応える。

20131219chap28ss (24)
「わあ!いいね!カイトとレイも予定空いているのかな?皆で過ごしたら楽しくなりそう!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・。

20131219chap28ss (25)
みんなで、ね・・・・。

20131219chap28ss (27)
「私とシャロンで料理作るよ。レイとカイトにはクリスマスの飾りつけとかやって貰おうっと」

リサの頭の中には「俺と二人のクリスマス」なんてものはないらしい。
脈ねえのかな・・・。俺、男として見られていないんだろうか・・・。

「ジェイクはケーキ作ってね!ジェイクのケーキ、大好きだから!」
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ケーキじゃなくて俺を好きになって欲しいんだけどな。
でもリサの楽しそうな笑顔を見ていられるのは素直に嬉しい。
予定とは違ってきちまったけど、リサとクリスマスを過ごせるならよしとしよう。

20131219chap28ss (28)
「おう。何のケーキがいいか考えとけよ!」

俺待ってるからな。リサの気持ちが俺に向いてくれるまで。
心の中でそうリサに呟いた。




                          chapter29へ続く

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