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chapter6 星に願いを

  • 2012/08/20 18:24
  • Category: 雑記
いつから好きになっていたんだろう?
面倒くさい、と思っていたはずのアーサーの誘いを心待ちにするようになってからだろうか?
わかっているのはアーサーに隣にいてほしいという気持ち。
一緒にいると自分の固い殻が破けていくような感覚になる。
意地を張ったり、強がらなくてもいい。
どんな私でも受け入れてくれるという安心感。


「イヴさん・・・イヴさん」
とろとろとまどろむ私を呼ぶ声が聞こえて、まだ閉じていたい瞳をゆっくりと開ける。
目の前にはアーサーの少し困ったような表情。
「ごめん、寝ちゃってたわ」
ここはアーサーの家。今日は休みでアーサーお勧めの恋愛映画を観ていたんだっけ。
ふとテレビをみるとエンドクレジットが流れている。
中盤までは起きていたのに、寝るなんて。
「一緒に観たかったけど・・・イヴさんの寝顔見れたからいいです」
Screenshot-442.jpgアーサーが私を優しく背後から抱きしめる。
「そういうことばっかり言うと怒るわよ」
くすっと笑いながら睨むとアーサーもつられたように笑った。
「相変わらずイヴさんは怖いな」
「ふふ。怖い女と付き合うなんてアーサーも物好きね」
こんな風に付き合うようになって3週間。アーサーと一緒に過ごす週末は私にとって大事なものになっていた。
会うたびに気持ちがどんどん大きくなっていく。
年下男に熱を上げるなんて、昔の私ならありえなかったのに。
Screenshot-439.jpg「イヴさん」
小さくアーサーが囁く。その声はかすれる様に低く、熱を帯びていた。
「僕のこと、好きですか」
「・・・嫌いならここにいないわ」
この3週間、毎週末繰り広げられている攻防戦。
アーサーは私の口からはっきりとした言葉を聞きたがり、私はそれからすり抜けようとする。
私のはぐらかすような返事にアーサーは拗ねたように言った。
「ちゃんと聞きたいんです、イヴさんの口から」
それなりに恋愛はしてきたけれど、私は「好き」と口に出して言うことが苦手だ。
アーサーのことは好きだ。でもそれを口に出すことは恥ずかしくてできそうにない。
態度で分かって欲しい。
そう思った私はアーサーの頬をそっと包んで、頬に軽く唇を寄せた。
Screenshot-438.jpg「分かってるでしょ。私の気持ちは」
キスは何度もしているのに、アーサーの頬はみるみるうちに赤く染まる。
「イヴさん、ずるいです・・・」
「年上の女はずるいのよ?嫌いになった?」
私はアーサーの質問をそのまま返す。自分は言いたくない癖に、アーサーからは聞きたい。
本当にずるい年上女だわ。
「嫌いになんか・・・なれません」
グイッと体を引き寄せられてアーサーの唇が私のそれに重なり、愛おしげに私の髪を撫でた。Screenshot-441.jpg



フィーナがアーサーに会わせて欲しいと言い出し、翌週末は3人でのささやかなホームパーティをした。
フィーナの美味しい食事をたいらげ、私とアーサーはプールサイドに出て軽くシャンパンを飲む。
あたりはもう暗く、夜の帳が下りている。
「フィーナさんてお嬢様なんですね。どうしてこんな豪邸に住んでるのかと思ってました」
「フィーナが一人暮らしするときに親に貰ったんだって。半端ないお金持ちだからね、あの家は。そこに私が居候させてもらってるってわけ」
Screenshot-430.jpgグラスに残ったシャンパンを飲み干す。
「お嬢様で美人で料理上手で優しいのよ。おまけに彼氏なし。どう?フィーナに乗り換えたくなった?」
挑発的な視線でアーサーを見つめて言う。過去の男でフィーナに会わせた途端、乗り換えようとした男がいたことが少しトラウマになっていた。だから本当はアーサーをフィーナに合わせるのが少し、怖かったのだ。
アーサーは優しく笑ってそんな私を抱きしめる。
Screenshot-432.jpg「まさか。僕はイヴさんがいいんです」
不安を吹き飛ばしてくれる優しい言葉。そして抱擁。
私もそれがあれば、アーサー以外いらない。
「年上を喜ばせるのがうまくなったわね」
「本当のこと言ってるだけです」
飾りのない言葉でまっすぐに愛してくれるアーサーの腕の中はとても心地よい。
ずっとこの時間が続けばいいのに。
いつか離れてしまう時がくるのだろうか?まだ始まったばかりなのに、アーサーの愛に浸っている私はそれがなくなることを恐れている。
「他の子が良くなったらいつでも言ってね。我慢して付き合われるのは嫌だから」
その言葉にアーサーがちょっと怒ったような顔をして言い返す。
「そんなことしません。僕はずっとイヴさんを好きです」
その時だけの口約束だってわかっている。
だって恋は突然降ってくるものだし、アーサーはまだ23歳だ。
恋が成就してもそれは永遠ではないことを、私は過去の恋愛で何度も経験している。
だけど。
今だけはそんなことを考えず、アーサーとの時間を大事にしよう。
シャンパンのグラスを置くと私はアーサーの腰に腕をまわした。
Screenshot-433.jpg「イヴさん・・・泣きそうな顔してる」
「私だって不安になることくらい、あるのよ」
「・・・そんな不安、吹き飛ばしてみせます」
アーサーの私を抱く腕に力が込められ、私はゆるく瞳を閉じる。
Screenshot-434.jpg星が一つ、流れるのが閉じていく瞳の中に映る。
どうかお願い。アーサーとずっと一緒でいられますように。
生まれて初めて私は願いをかけた。



プロジェクトも終盤にさしかかり、最近は毎日残業が続いていた。
今日も家に着いたのが22:00を過ぎていた。お風呂にゆっくり浸かり、寝るまで読みかけの本でも読もうとベッドの上に身を投げ出した。
Screenshot-435.jpg本を数ページ読んだところで、バッグの中の携帯電話がけたたましく鳴る。
「もう・・・こんな時間に誰よ」
せっかくの貴重なリラックスタイムを奪われ文句を言いながらも、アーサーかもしれないとすぐに立ち上がり携帯を取り出す。
液晶画面にはアーサーの名前が映し出されていた。
「もしもし」
寝る前にアーサーの声を聞ける嬉しさで声が少し高くなりそうなのを押さえて通話ボタンを押す。
「・・・イヴさん」
電話のむこうのアーサーの声はいつもと違う、思いつめたような声だった。
「アーサー?どうしたの?何かあった?」
「っ・・・・」
Screenshot-437.jpgアーサーは何かを言おうとして、でもすぐに思い直し口を閉ざす。
何かが、アーサーに起きている。
全身に不安が澱のように広がってゆく。
「イヴさん、聞きたいことがあるんです」
「なに?」
そこからアーサーが口を開くまで、どれだけの時間がかかっただろう。
そんなに長い時間ではなかったかもしれないけど、私にとってはまるで永遠のように長く感じられた。
「仕事を取る為にボスと寝たって本当ですか」
アーサーの搾り出すような声が私の心を鋭く刺し、携帯を握る震えた手が冷たくなっていくのを感じていた。
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Comment

kaorin114

こんにちは♪

ちょ・・・ちょっとちょっとどうなるんですか!?
ボスとの関係は嫌な予感してたんですけど(゚Д゚;)

うわぁ・・w
益々、先が気になりますので更新楽しみにしています!(*ノ∀ノ)
  • URL
  • 2012/08/21 12:17

Loveflower888

kaorinさん、こんにちはー♪

いちゃラブからの一気落とし↓でちょっとイヴが可哀想でしたが(ノω・、) ウゥ・・・
純なアーサーには刺激が強すぎるイヴの過去です。。。

今後ともドウゾよろしくお願いします!
  • URL
  • 2012/08/21 14:43

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Loveflower888

Author:Loveflower888
modで色々キャラメイクできるPCゲーが好き。特に綺麗な男子を作るのが趣味。シムズ3がメインですがskyrimの記事も載せています。
今後はまったり更新。気ままにUPしていきます。

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