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chapter5 変化

  • 2012/08/19 17:47
  • Category: 雑記
おかしな気分が落ち着くまで扉に寄りかかっているとリビングから顔を覗かせたフィーナの視線とぶつかり、にっこり笑顔で手招きされた。
「おかえり!ねえねえ、どうだった?デート」
26だっていうのに、まるで学生のようにはしゃいでいる。
まったく・・・もう。
呆れながらも私はリビングに向かい、フィーナの入れてくれた紅茶を口に運ぶ。
その間も期待でいっぱいの視線を浴びせてくるフィーナ。Screenshot-420.jpg「別に普通のデートだったわよ。特に何もないわ」
さっきまでの気持ちなんてまるでなかったことにして、さりげなく言葉を選びながら言う。
「でもイヴ、あの人のこといいなって思ってるでしょ」
フィーナの一言にあやうく紅茶を吹きそうになる。
長い付き合いだから、フィーナには言葉にしなくても感情が伝わってしまうんだろうか?
でも、まだ「好き」なんかじゃ・・・ないんだから。
勝手に盛り上がられても困るのよ。
「悪くはないとは思ってるけど、まだ付き合うとか決めてないもの」
「でも今後はどうなるかわからないでしょう」
まるで自分のことのように嬉しそうに笑う。
私がフィーナのことを好きな理由の一つがこれだ。
他人の幸せを自分のことみたいに本当に喜んでくれる。辛いときも一緒に悲しんでくれる。
一見簡単そうに見えるけど、嫉妬とかいろんな気持ちがからみあって素直に喜べなかったりするものなのに。
Screenshot-422.jpg「フィーナも相手見つければいいのよ。いつまでも初恋の相手にこだわりすぎ」
フィーナなら相手はいくらだっているだろう。
私が男ならフィーナを彼女にしたいと思うくらいだから。
それなのに当の本人は10年も前から「初恋の王子様」に恋焦がれている。
「だってあんなに素敵な人、いないもの」
「素敵って言ったって・・・。今じゃプロスポーツ選手でしょ。接点もないじゃない」
「いいの。彼のこと見守れるだけでいいんだから。それに、他の男の人は興味ないの」
Screenshot-421.jpg 10年前、フィーナが初めての恋に落ちた相手はフィーナが不良にからまれているところを助けてくれたというその時点でもサッカーの天才として有名だったジークという男だった。
フィーナはお礼を言うことしかできず、彼との接点もそれきり。
その後ジークはプロ入りし、サッカーファンを沸かせる存在のスターとなって更に手の届かない存在になってしまっていた。
でもフィーナはいまだにその王子様に囚われている。
「このまま他の男に目をむけないつもり?女の賞味期限の半分くらいは損してるわよ」
「賞味期限だなんて・・・そんなひどい言い方やめて」
「いつまでも夢追いかけてないで、現実の男を見なさいよ」
「私のことより、イヴの彼氏のこと教えて!ねえ、どこで知り合ったの?何歳?仕事は何しているの?」
目を輝かせながら質問攻めにしてくるフィーナを前に、今夜は眠れないなと微かに笑った。




任されたプロジェクトも面白いように進んでいく。私のことを水を得た魚のようだと仕事に熱中する姿を見てフィーナが笑ったほどだ。でもきっとそれは仕事だけのせいじゃない。
ここ最近の自分の心の変化を認めたくなくてずっと強がっていたけど。
少しなら、認めてもいい。
アーサーの存在を。
毎日のランチタイム、週末のデート。それがあるから仕事も頑張れるのだと。
相手にもしてなかった年下男がこんなにも自分を変えていく。こんな風になるなんて思いもよらなかった。
「イヴさん、明日の夜空いてますか?」
金曜日のランチの席でアーサーが問う。夜?デートはいつも昼間からだったのに。
不思議に思い、尋ねる。
「いいけど、どうして夜なの?」
「え・・・その・・・。いいお店の予約が取れたんです。イヴさんを連れて行きたいなって」
次のデートで5回目のデートということから考えても、多分アーサーは勝負に出ようとしているのだろうと直感した。ついに白黒つけなきゃいけない時がきたのだ。
「分かったわ。ドレスコードあるお店?」
「そんなにきっちり決まってはいないですが、カジュアルエレガンス程度です」
「了解」
パンツばかりのワードローブを思い出し、ドレスを買わなきゃいけないなと思った。




Screenshot-413.jpg通された席はビーチを一望できる特等席で、所々に観葉植物が置いてあり他の客からの視線を塞いで屋外でありながらうまく個室のような印象を出している。
アーサーの予約した店はこの街一番の高級店だった。相当無理をしたのだろうということは席について緊張のあまり硬くなっているアーサーの姿を見ればすぐに分かった。
ギャルソンに注文をするときもどこかぎこちなく、以前はそんな男の姿を見たらすぐに嫌になっていたのに、今は自分の為に無理をしてくれたことが嬉しい。
(私も変わったわね)
心の中でくすりと笑った。
Screenshot-412.jpg「ワインは如何なさいますか?」
ギャルソンが厳かにアーサーに尋ねる。こういう時のマナーとして女は静かに待っていることだとは思ったが、アーサーがワインに詳しいとは思えずハラハラして見守る。
「あまり詳しくないんですが、何かお勧めはありますか?」
「ちょうどシャトー・ラトゥールが入荷しています」
「ではそれをお願いします」
そのやりとりを見て私はついにマナー違反を承知で口をだした。
「私ラトゥールは苦手なの。こっちのワインでいいわ」
女性のメニューには値段が記されていないが、恐らくこの店では一番値段が安いとおもわれるワインを指差した。ギャルソンが全てを分かったような笑顔で「承知しました」と言い下がっていく。
ギャルソンが去ったのを見届けてからアーサーに小さな声で囁いた。
「ラトゥールなんていくらとられるかわかんないもの頼まなくていいの!」
Screenshot-411.jpgその言葉にきょとんとした顔でアーサーが言った。
「そんなに高いんですか?」
「チェックの時に泣き出しそうになるわよ、頼んでたら」
「・・・イヴさんはこういう店に慣れているんですね」
ちょっと寂しそうな顔をして目を伏せるアーサー。
「少しぐらいは、ね」
「恋人と、来ていたんですか」
アーサーの視線がいつもより強い。普段ならこんな風に突き詰めて問うことなんてないのに。
その視線の強さに戸惑っているとギャルソンが食前酒を運んできて話が中断された。
食事の間も、普通に話をしていてもアーサーはどこか違った。
(・・・5回もデートに付き合っているんだから、分かりそうなものだけど)
それでも返事を聞くまでは分からないんだろう。アーサーみたいな純情な男には。



Screenshot-417.jpg「ご馳走様でした。とっても美味しかったわ」
店を出て会計を持ってくれたアーサーを振り返って言った。無理しなくてもいいのに、「僕が誘ったから」と頑なに割り勘を拒んだのだ。
金額ではなく、その気持ちが嬉しい。
海沿いの道の爽やかな潮風が頬を撫でる。
二人並んで歩く。アーサーは店を出てから黙ったままだったが、突然立ち止まった。
Screenshot-418.jpg「イヴさん。僕と付き合ってください」
口説き文句もない、アーサーらしいストレートな言葉だと思いながら、私の心臓はドキドキと早鐘を打っていた。
それには答えずハンドバックから一枚のハンカチを取り出して、アーサーに差し出す。
このハンカチは初めて会ったあの日にアーサーから借りたものだ。
いつかアーサーとのことで白黒つけなければいけない日がきたら返そうと思っていた。
「返すわ」
Screenshot-419.jpg
「・・・それがイヴさんの返事ですか?」
何を勘違いしたのか、アーサーは苦しげな表情で呟く。ハンカチを返すってことがどうしてそうなるのだろう。全く、もう・・・。
「これからはアーサーが側にいてくれるんでしょう?だったら持ってる必要はないってこと」
それが不器用な私の精一杯の返事だった。
アーサーの顔はいつもみたいな笑顔ではなく、その言葉を聞いても真剣なまなざしを注いでくる。
「イヴさん・・・」
ふいに風が吹いて、ハンカチが飛ばされそうになる。私はそれを手繰り寄せるように押さえ、その手をアーサーが掴む。
Screenshot-415.jpg気がつくとアーサーに引き寄せられてその胸に顔を埋めていた。
互いの吐息さえ感じられそうなほどの距離で視線がぶつかる。
Screenshot-414.jpg心地よい波音を感じながら、私たちはどちらからともなく唇を重ねた。



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Comment

kaorin114

こんにちは~♪

やったね!アーサー!
私もフィーナさんみたいになんだか自分のことの様でうれしいですw
仕事も軌道にのっているみたいですし、これからの二人が楽しみだ~♪

あ、GTA4で雷電がガールフレンド募集中なのでよろしくお願いします笑
  • URL
  • 2012/08/20 13:25

Loveflower888

こんにちは!

アーサー頑張りました♪
6話はあまあま~な展開からの・・・って感じなんですが
良ければ読んでやってください☆

GF募集にうちのキャラまで入れてくれてウレシーw
  • URL
  • 2012/08/20 18:57

暇人

わぁ・・・
思わず2828・・・w
となってしまいましたwww

実際にこんな場面に出くわしたら
外野でテンション上がりまくってしまいますねw
  • URL
  • 2012/08/20 23:34

Loveflower888

暇人さん、こんにちは!うわあ・・・て感じの赤面な展開でごめんなさいww

でも実際日本人のカップルのこんな場面に遭遇したら「家でやれや(゚Д゚)ゴルァ!」
ってなると思いますww
外人さんなら絵になるのにねえ。。。
  • URL
  • 2012/08/21 14:47

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Loveflower888

Author:Loveflower888
modで色々キャラメイクできるPCゲーが好き。特に綺麗な男子を作るのが趣味。シムズ3がメインですがskyrimの記事も載せています。
今後はまったり更新。気ままにUPしていきます。

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