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Chapter1

  • 2012/08/07 20:18
  • Category: 雑記
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「すいませんが、お話があるなら手短にして頂けますか?新しいプロジェクトで忙しいので」
そう淡々と告げると目の前に座る先輩はワナワナと唇を振るわせた。
「そのプロジェクトを私から取るためにボスと寝たんでしょう」
会社の一大プロジェクトの最終選考に残ったのは私の案と目の前に座る先輩の案だった。
私は先輩の言葉通り、決定権を持つボスと寝て新しいプロジェクトのリーダーの座を獲得したのだ。
「だったらどうだって言うんですか?」
悪びれる様子もない私の言葉に先輩は膝の上で拳を握り締める。
「あなた恥ずかしくないのっ?そんなことで仕事をとったって・・・!」
「勘違いされると嫌なので言っておきますね。ボスと寝たのは仕事を取る為じゃありません。内容で勝負しても負ける気がしませんでしたから」
「じゃあ正々堂々と勝負すればいいじゃないの!!」
ヒステリックに叫んで席から立ち上がる先輩を冷ややかな目で見つめながら私は続けた。
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「ええ。正々堂々と勝負したいから先輩と同じ土俵にあがっただけです」
目を見開いて驚きの表情を浮かべる。
私が知らないとでも思った?
「あたしがボスと寝たっていうの?!あたしは貴方みたいな卑怯な女じゃないわ!」
「ボスと寝て仕事を取ったのは先輩ですよね。ボスからそう聞きました」
私は全部知ってるわよ。
男が寝物語にこの先輩の過去の話を全て暴露しちゃったんだから。
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「だから先輩と一緒にされること自体嫌なんですよ。先輩はただ仕事が欲しくて寝た、でも私は違う。先輩と勝負するために寝たんですから」
仕事の内容で負けていると思えないのに、いつも私の案は却下されてこの女のつまらない案が起用された。何度悔しい思いをしたことか。
実力以上の評価を貰って威張ってきたこの女の鼻柱をへしおってやりたかった。
「あなたって・・・最低な女ねっ・・・!!」
返す言葉に詰まった目の前の女はついにそう捨て台詞を吐いた。
「好きなように言えばいいわ。勝ったのは私ですから」
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「この・・・っ恥知らず!!」
先輩は手を振り上げてしたたかに私の頬を打った。
よろめいて地面に倒れこむ。その私の頭上にコップに入った水をぶちまけると先輩は店を走り去っていく。
ふん。恥知らずはどっちよ。
せいぜい吼えてなさい、負け犬のくせに。
店中の客の視線を感じながら私は床を見つめて微かに笑った。
「大丈夫ですか?」
頭上から場違いなほど爽やかな声が降ってきて私は顔を上げる。
見たことのある顔。声と同じ爽やかな面立ち。
同じ会社で違うセクションにいる男だとようやく気がついた。
「ひどいことするな。立てますか?」
差し伸べられた手を掴んで立ち上がる。
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「ありがとう」
同じ会社の人間だと詮索されて面倒なことになるのが嫌で、お礼の言葉だけ述べるとその男はポケットから綺麗にアイロンがけされたハンカチを差し出した。
「使ってください」
「いえ。大丈夫ですから」
へたに係わり合いになりたくなくて断る私の手に男は意外なほど強引にハンカチを握らせてきた。
「このまま店からでたら目立ちますよ」
たしかにそのとおりだった。髪はビチャビチャでスーツのジャケットも水を含んでいる。
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断るのも面倒でそのままハンカチはいただくことにした。
「じゃあ遠慮なく。・・・お返しできるかわかりませんからコーヒー代出させてください」
「いえ、いいんですよ。僕はただ・・・」
「ごめんなさい。急いでるので」
ハンカチ程度で今後も何かと話しかけられたりしたらたまらない。
借りは作らず、その場で返すのが私のモットーだ。
隙は作らないに限る。
まだ何かもごもご言っている男を残し、レジで男の分まで精算を済ませ店を後にした。


私は女が嫌いだ。
すぐに群れたがるくせにその群れの中でも表面上は仲良しを演じ、裏では散々にこきおろす。
人の失敗を「大丈夫?」などと心配げに励ますフリをして心の中では舌を出している。
嫌いというより、理解できなくて怖いのかもしれない。
そんな私でもたった一人だけ、信用できる女友達がいた。
それが一緒に暮らしている中学からの友人フィーナだ。
「どうしたの?イヴ、今日は随分塞ぎこんでる」
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リビングのソファでぼんやりとしていると、フィーナが隣に腰を下ろして心配そうに見つめてくる。
ふんわりと長い髪。キラキラと輝く瞳。ふっくらとした桜色の唇。
細く白い手先はいつも綺麗なピンク色のネイルが塗られている。
優しくて料理上手で家庭的。
男が「理想の女性」とするのはきっとフィーナみたいな女だろうと思う。
私とは何もかもが正反対。
そんなフィーナとは何故か合い、どんなことでも相談しあう仲だ。
「ん。ちょっと面倒なことがあっただけ」
「仕事のこと?」
「こないだボスと寝たって言ったでしょ?同じことしてる先輩に恨み言言われたのよ」
フィーナには何でも話せた。それはどんなことがあってもフィーナは私のことを軽蔑した目でみないからだ。
でも快くはおもっていない証拠に微かに眉をひそめた。
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もうそういうことはしないほうがいいと、思うの」
「私だって好きで寝た訳じゃないわ。でもこのまま実力じゃなくて差をつけられるのが許せなかったの」
きっぱりとそう言うと、フィーナは目を伏せた。
「でもね・・・いつか好きな人ができたら・・・きっと後悔すると思う」
私と同じ26にもなってフィーナはそんな乙女じみたを言う。信じられないことにフィーナは15か16のころの初恋の相手をいまだに想っている、ある意味天然記念物のような所があった。
「好きな人、ねえ・・・。当分私には縁がないから大丈夫」
私が好きになる位の男は女の過去にぐちぐち口を出したりしない人よ、といいかけてやめた。
フィーナにはフィーナの、私には私の価値観がある。
互いの価値観を押し付けあってまで言い合うことじゃないと思い直し、話題を変えるために私は見たくもないテレビのスイッチを入れた。
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kaorin114

おお!
FC2ブログですか!
もし宜しければブロともになって頂けませんか?(´∀`*)
いいなぁ・・・やっぱりママさんの女の子可愛いよぅw
  • URL
  • 2012/08/08 18:38

きなこママ

kaorinさん、こっちにまでコメありがとうです!
こちらこそブロとも、お願いします♪ってまだFC2始めたばかりで申請の仕方とか
よく分かってないんですw飛ばしてくれたら助かります!

  • URL
  • 2012/08/08 20:15

きゃら

こんにちは!きゃらです。
シム、めっちゃ美形ですね!
しかもストーリー面白い!!
小説を読んでるかのようです。ほんとにすごい!
フィーナもいいけど、イヴ、いいですねー
こうゆう人、好きです。わたしw

Loveflower888

きゃらさん、こちらにまでコメントありがとうございます!

思いつきと勢いだけで書いている物語ですが面白いといっていただけて
とても嬉しいです♪短編とはいえ、けっこうな長さなのでお暇なときに暇つぶしにして
頂けたら・・・と思います!

イヴみたいな性格の女性は同性から人気がありますよねw
私も女っぽキャラより強い女の方が好きなので、ついついこういうキャラばかりに
なっちゃいます。゚ヽ(゚´Д`)ノ゚。

私もまたきゃらさんのところにお邪魔させて貰いますね~♪
  • URL
  • 2012/09/26 17:38

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Loveflower888

Author:Loveflower888
modで色々キャラメイクできるPCゲーが好き。特に綺麗な男子を作るのが趣味。シムズ3がメインですがskyrimの記事も載せています。
今後はまったり更新。気ままにUPしていきます。

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