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chapter7 後悔

  • 2012/08/23 15:58
  • Category: 雑記
Screenshot-471.jpg「イヴさんの先輩に聞いたんです。本当ですか」
頭の中が真っ白になって、アーサーの声が遠くに聞こえる。
先輩が、アーサーに・・・。
今までしてきたことの仕返しなのだとぼんやりとした頭で考えた。
「そんな訳ないですよね?・・・イヴさん!」
悲痛な叫びが受話器から漏れ、私の意識を引き戻しす。
いつか、このことがアーサーに知られる日がくること分かってたことじゃない。
私が選んできたことだ。今更何も言い訳したくない。
「・・・本当よ」
「嘘だ。そんなわけ・・・」
いつかフィーナと話したとき、私が好きになる男は過去のことなど気にしない男だと思った。
でも現実はそううまくはいかない。
今時めずらしいほどの純情なアーサーが、仕事の為に寝る女など許すわけがなかった。
「ボスに命令されたんですね?寝ないと仕事をやらないって」
優しいアーサーはこの期に及んでも私を庇おうとしていた。
その優しさで、心が痛い。
「違うわ。私は先輩に負けたくなかった。だから自分からボスと寝たの」
Screenshot-472.jpg決定的な一言にアーサーは何も言えずに沈黙だけが支配する。
ボスはドライな性格だからあれ以降誘われたりしたことはなかった。
もちろん、誘われても断っていたと断言できる。
でもそれが何だっていうんだろう。アーサーにとっては私がそういうことをできる人間だということだけで許せないだろう。
あんなに一生懸命、愛してくれたアーサーを深く傷つけた。
「・・・」
アーサーは言葉を失っている。優しいアーサーのことだ。いくら私に非があったとしても、自分から別れたいと言えるとは思えない。
私が。幕を引かなきゃ。
愛しているから、さよならしなくちゃ。
「私はそんな女だったってこと。・・・もう会わないほうがいいわね」
「イヴさんっ・・・」
私を呼ぶ声。きっと最後になるだろう。
目を閉じて息を吸い、一思いに私からの最後の言葉を口にする。
「さよなら」
Screenshot-473.jpg強張る指で通話終了のボタンを押した。



ランチタイムで頻繁に人が出入りする扉を見ないように、必死に手元の本に目を落とす。
テーブルの横に立つ人の気配がして私は勢い良く顔を上げた。
「お待たせしました」
店のウエイターがにこやかな笑顔でパスタをテーブルに載せた。
私は、何を期待しているんだろう。
自分から別れると言ったくせに、未練がましくいつもの店でアーサーを待っている。
Screenshot-453.jpg昨日の夜だって自分から電話を切っておきながら、アーサーからのコールバックがくるんじゃないかと携帯を握り締めたままで朝を迎えた。
(結局電話はなかったんだから・・・。もう諦めなさい)
私は自分に諭すように心の中で呟いた。
「今日はお一人?アーサー君にフラレちゃったの?」
今一番聞きたくない声がした。振り返らなくてもその声が誰かすぐに分かる。
Screenshot-454.jpg私の背後から先輩とその取り巻き2人が楽しそうに私の顔を覗きこんだ。
「かわいそうねえ。でも仕方ないわよ。仕事の為に寝る女を誰が好き好んで付き合うと思う?」
この女がアーサーにボスと寝たことを言ったのは怒っていない。
狭い社内のことだ。放っておいてもいつかアーサーの耳に入っただろう。それに事実だ。
けれど仕事の為に寝る女っていうのは先輩も同じではないか。
Screenshot-455.jpg「先輩、男にフラれた私よりもっとみじめな存在がいますよ」
イスから立ち上がり先輩を睨みつける。
「ボスが何て言ったか知ってます?先輩とは一度だけのつもりだったのに、実力で勝負できないから何度も誘ってきて困ったって言ってましたよ。うっとうしいって」
勝ち誇ったような顔をしていた先輩の顔がみるみる青ざめていく。
Screenshot-457.jpg取り巻きの二人にはボスと寝たことは秘密にしていたのだとその表情から知れた。
こんな露悪的な言い方をしたい訳じゃない。
でももう止まれない。けしかけてきたのは先輩の方だ。
「色仕掛けしても嫌がられる女ほど、みじめなものはないですよね」
そういい捨てると私はパスタに口をつけないまま店を出た。



フィーナのいった通りだった。
「好きな人ができたら、きっと後悔すると思う」
その言葉を思い出した。あの時は気にしていなかったけど。
でももう後悔したって遅すぎる。
残業を終え、疲れた体をひきずるようにして歩く。
アーサーと一緒だった時は仕事も楽しくて仕方なかったのに。
(まるで抜け殻みたいね・・・今の私)
恋ごときで右往左往する女は大嫌いだったし、そんな風になりたくなかったのに。
でもアーサーとの最後の電話から2週間が経った。アーサーからの連絡はないし、ごくたまに社内で会っても気まずそうに目を伏せる。
(もう考えるのはやめよう。今は仕事に集中しなくちゃ)
Screenshot-460.jpgそう思い直して、フィーナに頼まれていた食料品を買うために店に入り、バケットや野菜を籠にいれていく。
そうだ、洗剤がなかったんだっけ。
手を伸ばした時に隣に人影を感じて顔を上げた。
そこには私の一番会いたい人が立っていた。
Screenshot-461.jpg呆然とする私の顔を真剣な眼差しでみつめてくるアーサー。
久しぶりに近くで見たアーサーは少し痩せたと思う。
「イヴさん」
もう聞けないと思っていた私を呼ぶ声が、した。
だけど、私は何て言えばいい?どんなに言葉を尽くしてもボスと寝たことは消えない事実だ。
「もう話すことはないはずよ」
強がりばかりが口に出る。
Screenshot-462.jpg「・・・僕も男だから、こないだのことはすごくショックでした」
「もういいの。やめて」
「ちゃんと僕の話を聞いてください!」
アーサーの声は店中に響いて、他の客が何事かと見つめてくる。でもそんなことより、いつも穏やかなアーサーが声を荒げたことに驚いた。
「今は正直イヴさんを見ているとあの事ばかり思い出しちゃうんです。でもイヴさんと別れたくない。だから・・・少しだけ距離を置いて頭の中を整理させて下さい。」
Screenshot-463.jpg距離を置く、なんて別れたいけどそうは言えないから自然消滅を狙うってことだろう。
今ダメなものはいくら時間が経ってもダメなのに。
優しいアーサーはそうすることしか選べない。
「私には別れるしか選択肢はないと思う。だからもうやめましょう、こんな話するの」
「イヴさん・・・・」
「楽しかったわ。じゃあね」
Screenshot-464.jpg最後まで、好きだと言えなかった。ごめんね、こんな強がりばかりの女で。
胸の中でそうアーサーに呟いた。




それからさらに日は流れて。
ある日を境にアーサーに姿が会社から消え、私は人伝にアーサーが会社を辞めたことを知った。
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kaorin114

おはようございます~♪

もうちょっとなんでアーサー会社辞めちゃうの~!?
ドキドキの展開で続きが待ちきれません><

頂いたエマさんの性格ってクール系でしょうか?
ライデンとの掛け合いをどうしようかな、と・・(ノ´∀`*)

さらにリクエスト申し訳ないのですが
バイオ4のアシュリーを作成して頂けないでしょうか?
レオンと・・こ・・恋人に・・・きゃああ

  • URL
  • 2012/08/24 11:48

暇人

え、ええ~!

続きどうなんのか気になって仕方ないです!
アーサー頑張るんだ!w

オブジェがすごい凝ってますねw
無料だったら欲しいですが有料だったらキツイですねw
  • URL
  • 2012/08/24 16:32

Loveflower888

kaorinさん、こんにちは~♪

物語もだいぶ終わりに近くなってるので、怒涛の展開になっておりますw
chapter8も本日中にUPしますので、よろしくお願いします☆

エマの性格は・・ウーン、クール系だけど芯はアツい女的な・・・(イミフ)
嫁に出したようなものなので、細かい性格設定はkaorinさんに丸投げしますゞ(ーー)おい
ライデンとのかけあいですか!!超楽しみにしてますw
うちの物語にもちょこっとですが、エマさんに出てもらおうとおもってます~♪

リクエスト嬉しすぎる!!んですが、私なんかが作っていいのでしょうか。。。アワ((゚゚дд゚゚ ))ワワ!!
本物のアシュリーはちょっと再現むずかしそうなので、それっぽい感じでよければ作って見ます!
こういうテーマを頂いてキャラ作るのってすごく楽しいんですよ~☆
  • URL
  • 2012/08/24 17:01

Loveflower888

暇人さん、こんにちは!

こんな思いつきの物語ですが、楽しんでもらえてすごく嬉しいです~!
アーサーみたいなキャラって応援したくなっちゃいますよね。お得なキャラだw

次の回もUPしますので、お時間のあるときに覗いてみてください!
  • URL
  • 2012/08/24 17:05

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Loveflower888

Author:Loveflower888
modで色々キャラメイクできるPCゲーが好き。特に綺麗な男子を作るのが趣味。シムズ3がメインですがskyrimの記事も載せています。
今後はまったり更新。気ままにUPしていきます。

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